510に500psの3ローターターボ!? ヒスパニック系アメリカ人流のイジり方|1968年式 ダットサン 510

500psに対応するブレーキと 美麗なシャコタンも実現! 

       
アメリカではエンジンスワップの素材としてポピュラーな存在であるロータリーエンジン。とはいえ、実際に使用されるのは歴代RX-7などに搭載された2ローターの13B型がほとんどだ。そこでモアパワーにあこがれるカリフォルニア在住の510オーナーが選んだのが、3ローターターボの20B-REW型だった! 
 
【1968年式 ダットサン 510 Vol.1】

 人種のるつぼと呼ばれるアメリカ西海岸において、ダットサン240Zと並んで絶大な人気を誇るのがダットサン510だ。エンジンスワップの本場だけあり、510をベースにしたスワップの実例も数多く存在するが、なかでも中南米をルーツに持つヒスパニック系アメリカ人のイジり方は独特だ。

 メキシコやプエルトリコなどの国々では、もともと日産やトヨタと並んで、マツダ車の人気が極めて高く、なかでもドラッグレースの愛好家は車体が何であれ、ともかくロータリーエンジンを搭載するのが大好きだ。メキシコ系アメリカ人であるアンディ・アヴェーナさんもその例に漏れず、RX‐7やRX‐2(カペラロータリー)など、マツダ車を好んで乗り継いできた。

 そして時が経ち、アンディさんのダットサン510には、500 psのロータリーエンジンが搭載されることになる。そう、3ローター・ターボエンジンだ。


>>【画像17枚】かつて日本のオートエクゼがレース用エンジンと同様のプロセスでフルオーバーホールを施したコンプリート仕様のベースエンジン20B型。いわゆるブリッジポートほど大きくはないが、吸気ポートを拡大させる「ストリートポート」を施してある。インマニやスロットル、オルターネーターなどはポリッシュで見栄えをアップしたこだわりのディテールなど



純正にはないサイドモールを追加する一方、リアのガーニッシュは取り外してエンブレムでドレスアップ。エキゾーストは珍しいツインマフラーの2本出し。





ブレーキはブレンボ製で、前後とも大径のドリルドディスクローターをぜいたくに使用している。キャリパーとホイールのクリアランスが絶妙。


1968年式 ダットサン 510(PL510)
SPECIFICATIONS 諸元
■エンジン:20B-REW型換装、オートエグゼ・フルオーバーホール、ストリートポート、強化ダウリングピン、ターボネティックス製φ80mmタービン
■吸気系:グレッディ製ブローオフバルブ
■排気系:ワンオフタコ足、ツインマフラー
■燃料系:ワンオフフューエルサージタンク、エアロモーティブ製EFIレギュレーター
■点火系:ボッシュ製イグニッションコイル
■制御:マイクロテック製ECU
■冷却系:ワンオフラジエーター&電動ファン、ワンオフインタークーラー、ワンオフオイルライン
■駆動系:FD用5速マニュアルトランスミッション
■サスペンション:TSRオリジナル・ワンオフサスペンション
■ブレーキ:(F)ブレンボ対向4ポット (R) ブレンボ対向2ポット
■タイヤ:ヨコハマS.Drive(F/R)215/35R18
■ホイール:SSR プロフェッサー SP3 (F/R)18インチ



【2】に続く

初出:ノスタルジックスピード 2017年11月号 vol.014(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1968年式 ダットサン 510(全3記事)

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text : HIDEO KOBAYASHI/小林秀雄 photo : AKIO HIRANO/平野 陽

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