アメリカでは超レアな存在の20B! オーナーとロータリーの出会い|1968年式 ダットサン 510

500psに対応するブレーキと美麗なシャコタンも実現した美しいフォルム! 

       
アメリカではエンジンスワップの素材としてポピュラーな存在であるロータリーエンジン。とはいえ、実際に使用されるのは歴代RX-7などに搭載された2ローターの13B型がほとんどだ。そこでモアパワーにあこがれるカリフォルニア在住の510オーナーが選んだのが、3ローターターボの20B-REW型だった!  

【1968年式 ダットサン 510 Vol.2】

【1】から続く

 アヴェーナさんが、今では20年来の付き合いというロサンゼルスの「ルネーズ・モータースポーツ&マフラー」に出かけた時のこと。ショップオーナーのルネー・フランコさんが仕上げた1台が目に入った。それは当時のアメリカではまだ存在すらよく知られていなかった20B‐REW型ロータリーエンジンを搭載した、マツダ616(レシプロ搭載のカペラ)だった。

 20B‐REW型とは、バブル時代に多チャンネル化を実施したマツダのフラッグシップクーペ、ユーノスコスモに搭載されていた1962ccの3ローター・ツインターボエンジン。ユーノスコスモはアメリカにも「アマチ」ブランドで展開することが計画されていたが、バブル崩壊で実現しなかったという経緯があり、20B型は日本以上にレアな存在だったのである。

>>【画像17枚】20B-REW型エンジンに換装された狭い510のエンジンルームにもフィットするようオリジナルの吸排気レイアウトを構築し、φ80mmと大径のターボネティックス製を採用したシングル化したタービンなど



インテリアは基本的にノーマルをキープ。





トランスミッションはマツダRX-7用の5速MTに換装。それに伴いシフトノブも交換している。



1968年式 ダットサン 510(PL510)
SPECIFICATIONS 諸元
■エンジン:20B-REW型換装、オートエグゼ・フルオーバーホール、ストリートポート、強化ダウリングピン、ターボネティックス製φ80mmタービン
■吸気系:グレッディ製ブローオフバルブ
■排気系:ワンオフタコ足、ツインマフラー
■燃料系:ワンオフフューエルサージタンク、エアロモーティブ製EFIレギュレーター
■点火系:ボッシュ製イグニッションコイル
■制御:マイクロテック製ECU
■冷却系:ワンオフラジエーター&電動ファン、ワンオフインタークーラー、ワンオフオイルライン
■駆動系:FD用5速マニュアルトランスミッション
■サスペンション:TSRオリジナル・ワンオフサスペンション
■ブレーキ:(F)ブレンボ対向4ポット (R) ブレンボ対向2ポット
■タイヤ:ヨコハマS.Drive(F/R)215/35R18
■ホイール:SSR プロフェッサー SP3 (F/R)18インチ


【3】に続く

初出:ノスタルジックスピード 2017年11月号 vol.014(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1968年式 ダットサン 510(全3記事)

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【1】から続く

text : HIDEO KOBAYASHI/小林秀雄 photo : AKIO HIRANO/平野 陽

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