当時もののタイヤを履いたプリンス! ほぼ補修を行なっていない、存在自体が奇跡といえるこのクルマ 〜2017〜|1959年式 プリンス スカイライン 1500 デラックス

奇跡の実動可能な初代スカイライン

       
1957年4月、プリンス自動車工業は新型車プリンススカイラインを発売した。それから60年、今なおスカイラインは日本を代表する乗用車として、人々の心をつかんでいる。今回のスカイライン特集では4代目C110、3代目C10、2代目S50系、そして初代ALSIの各モデルを掲載。それぞれ個性的な個体を集めて、モデルごとの魅力を改めて探ってみることにした。クルマ好きはなぜ、スカイラインにひかれるのだろう。

【1959年式 プリンス スカイライン 1500 デラックス Vol.3】

【2】から続く

 補修に関してはプリンスガレージかとりでは、ボディ下側のペイントを行った程度で、オールペイントや板金などはしていない。タイヤも当時のものがそのまま装着されていて、この個体の程度の良さを物語っている。もちろんオリジナルコンディションで、欠品パーツもない。トランクに収納される工具箱、ジャッキ、クランクハンドルがしっかり残っていることも2代にわたるオーナーの管理のよさの賜と言える。さらに、今でもエンジンが実動する状態をキープしており奇跡といえる。

 しかし、2016年の現在では1型のパーツが入手できることは皆無といえる状況。まれに2型(4灯タイプ)のものが手に入ることがある程度ときびしい環境となっている。とはいっても、2017年はスカイライン誕生60周年の記念イヤー。この個体は今後、各地で開催されるスカイラインイベントに引っ張りだことなるはず。存在自体が奇跡といえるこのクルマを実際に見てその凄さを確認して頂きたい。


>>【画像25枚】 古いBSマークが残る、ホワイトレタータイプの当時ものタイヤなど


OWNER’S VOICE/自動車文化の遺産を保存して、なおかつ楽しむ方法を実践する


 プリンスガレージかとりの代表である香取孝さんは、自動車販売・修理を手がける一方で自動車文化の遺産を保存し、イベントや博物館、映画などへの貸し出し協力を行い、歴史を伝承する。もちろん、自らもホビーとしてヒストリックカーレースにエントリーと、積極的に自動車を楽しんでいる。この初代スカイラインとの出合いは、勢力的に旧車に関わる香取さんだからこそ訪れたといえる。本来人物写真を掲載するスペースには香取さんのコレクションから、プリンス自動車のネクタイピンとスカイラインのネクタイが登場。




エンジンはGA30型水冷直列4気筒OHVの1484ccで、最高出力60psを誇るもの。





型式プレートにはプリンスと富士精密工業のクレジットと年式、車台番号、エンジン番号、最高出力、車台番号(フレーム)、そして登録日を刻印する。





マフラーは膨張室付きで、エンド部分は下向きとなっている。リーフスプリングには泥よけカバーが付いている。


1959年式 プリンス スカイライン 1500 デラックス(ALSID-1)
SPECIFICATIONS 諸元
全長 4280mm
全幅 1675mm
全高 1535mm
ホイールベース 2535mm
トレッド前/後 1340 / 1380mm
最低地上高 210mm
室内長 1920mm
室内幅 1460mm
室内高 1220mm
車両重量 1310kg
乗車定員 6名
最高速度 125km / h
登坂能力 22.8°
最小回転半径 5.4m
エンジン型式 GA30型
エンジン種類 水冷直列4気筒OHV
総排気量 1484cc
ボア×ストローク 75×84mm
圧縮比 7.5:1
最高出力 60ps / 4400rpm
最大トルク 10.75kg-m / 3200rpm
燃料供給装置 シングルキャブレター
燃料タンク容量 40L
変速機 前進4段 / 後退 1段
変速比 1速 5.19 / 2速 3.03 / 4速 1.00 / 後退 5.97
最終減速比 4.625
ステアリング型式 ウオームアンドローラー式
サスペンション 前/後ダブルウイッシュボーン・コイル / ド・ディオンアクスル・リーフ
ブレーキ 前後ともドラム
タイヤ 前後とも6.40-14 4PR
発売当時価格 108万円

初出:ノスタルジックヒーロー 2017年2月号 Vol.179(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1959年式 プリンス スカイライン 1500 デラックス(全3記事)

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【1】【2】から続く

photo:RYOTA SATO/佐藤亮太

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