車検を切らすことなく継続し約40年! 走行1万6589kmの初代スカイライン 〜2017〜|1959年式 プリンス スカイライン 1500 デラックス

インパネは右がスピード、左は水温計と燃料計、オイルとジェネレーター(電気系)の警告灯が配備されている。

       
1957年4月、プリンス自動車工業は新型車プリンススカイラインを発売した。それから60年、今なおスカイラインは日本を代表する乗用車として、人々の心をつかんでいる。今回のスカイライン特集では4代目C110、3代目C10、2代目S50系、そして初代ALSIの各モデルを掲載。それぞれ個性的な個体を集めて、モデルごとの魅力を改めて探ってみることにした。クルマ好きはなぜ、スカイラインにひかれるのだろう。

【1959年式 プリンス スカイライン 1500 デラックス Vol.2】

【1】から続く

 パリ・サロンに出品された初代スカイライン、価格も120万円とクラウン・デラックスよりも10万円も高い国産乗用車最上級であったが、さらに、発表時には東京・日比谷の宝塚劇場で発表イベントを開催。新車発表会を催したのはこれが日本初といわれており、すべてにおいて破格のスケールで特別な存在だったのだ。スカイラインには、風光明美な観光道路というよりも、エポックメイキングな存在のクルマになることが込められていたのかもしれない。

 さて、この個体についてだが、もはや国内に存在する初代スカイラインでも唯一の走行可能車と言っても過言ではないもの。本誌2000年2月号でも登場している。確認しておくと、型式プレートには1959年式とあり、この時点で初代オーナーが新車で購入。その後、40年間近く所有しており、車検を切らすことなく継続していたという。走行はわずかに1万6589kmだ!! 新車購入から3~4年間が実働期間らしく、その後はガレージ保存状態だったことから当時の息吹がリアルに生き続けるレガシーとなっている。しかもこの間も車検は常に更新しており、現在のプリンスガレージかとりの手にわたった時にも1年近くの有効期間があったという。

>>【画像25枚】標準で装備されている工具箱、ジャッキ、クランクハンドルがそのまま収納されていた大容量のトランクルームなど



フロントシートはベンチタイプで、2色使いがモダンだった。





リアシートは左右にアームレストを備えたオールフォームラバーのクッション。





グローブボックスにプリンスのエンブレムがあしらわれている。



        

メッキモール付きのホワイトラインによる2トーンカラーの設定は、アメリカの上級車を意識したもの。              


1959年式 プリンス スカイライン 1500 デラックス(ALSID-1)
SPECIFICATIONS 諸元
全長 4280mm
全幅 1675mm
全高 1535mm
ホイールベース 2535mm
トレッド前/後 1340 / 1380mm
最低地上高 210mm
室内長 1920mm
室内幅 1460mm
室内高 1220mm
車両重量 1310kg
乗車定員 6名
最高速度 125km / h
登坂能力 22.8°
最小回転半径 5.4m
エンジン型式 GA30型
エンジン種類 水冷直列4気筒OHV
総排気量 1484cc
ボア×ストローク 75×84mm
圧縮比 7.5:1
最高出力 60ps / 4400rpm
最大トルク 10.75kg-m / 3200rpm
燃料供給装置 シングルキャブレター
燃料タンク容量 40L
変速機 前進4段 / 後退 1段
変速比 1速 5.19 / 2速 3.03 / 4速 1.00 / 後退 5.97
最終減速比 4.625
ステアリング型式 ウオームアンドローラー式
サスペンション 前/後ダブルウイッシュボーン・コイル / ド・ディオンアクスル・リーフ
ブレーキ 前後ともドラム
タイヤ 前後とも6.40-14 4PR
発売当時価格 108万円

【3】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2017年2月号 Vol.179(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1959年式 プリンス スカイライン 1500 デラックス(全3記事)

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【1】【2】から続く

photo:RYOTA SATO/佐藤亮太

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