「人と同じスタイルにしない」あえての17インチ履き｜1972年式日産スカイラインHT 2000 GT-X｜ターボとNAでL型パワーを楽しむ兄弟

Nosweb 編集部 2022/02/26

RSハラダのインマニに、ソレックス50PHHを装着。カールファンネルは浦田商会製。ピロアッパーマウントの角度、タワーバーから伸びるピロロッドにも注目だ。

L28型改3.1Lをベースに、旧車のモディファイを楽しむ兄弟がいる。兄はストリートドラッグの世界を振り出しにインジェクションターボにたどり着き、弟はたまたま買ったクルマにのめり込み、気付けばメカチューンのとりことなった。このように兄弟でありながら、クルマとの出合いもチューニングの方向性も違えば、ベースカーも兄はGノーズとワイドボディキットを組んだホワイトの240ZG。弟はGT-R仕様としては最先端の17インチホイール履きのシルバーのハコスカHTと、何から何まで違っている。だからこそ興味がある。同じDNAを持つ2人が、L28型改3.1Lに何を求め、何を得たのかを。スタイルも使う道具も違う兄弟による、L型劇場。これより開演！

【1972年式日産スカイラインHT 2000 GT-X｜ターボとNAでL型パワーを楽しむ兄弟　Vol.5】

【4】から続く

　モディファイにおける彼の信条は、「人と同じスタイルにしない」こと。それが顕著に現れているのが、17インチのタイヤ&ホイール設定だろう。時代考証やクルマとのバランスを考えると、15か16インチが妥当なセンだが、「それでは他人と同じスタイルにしかならない」と断固拒否。タイヤ選びの選択肢が広がることもあり、あえての17インチを履かせている。
　このサイズになると、さすがに純正の4H/114.3では対応しきれず、Z31用アウターとR31用インナーハブの組み合わせで5H/114.3化を実現。ブレンボのブレーキやTE37ホイールの助けも借りて、迫力ある足元美を演出することに成功している。

　エンジンに関しては、製作ショップである「カスタムスポーツマンディ」の小西正晃さんの手に委ねられた。見栄を張るためのパワーアップを追わない、「乗りやすさ優先」とのリクエストにより、L28型には亀有のφ89mmピストン、L14型用コンロッド、LD28型用83mmクランクで3.1L化。カムも低めの310度とし、3000rpmちょっとのところでトルクが出るようにセッティングされている。タコ足も同様にパワー重視のφ48mmではなく、音の良さが味わえるφ45mmを選択。ミッションはサーキット走行ではタイムロスにつながる危険性が高まるものの、市街地走行でのシフトチェンジを頻繁に楽しめるようS15シルビア用の6速を用意。40歳を過ぎてから旧車デビューしたオーナー（弟）が苦にならないよう、ありとあらゆる点にプロショップならではの配慮がにじみ出ているのだ。

　先にも述べたオーナーの「他人と同じことを嫌う」姿勢は、紺色の結晶塗装を施したヘッドカバー、ゴールドアルマイト加工のファンネル、対象的に配置されたリザーバータンクとオイルキャッチタンクなどからも伝わり、機能美だけでは終わらない華やかさをハコスカのエンジンルームに与えている。

>>【画像33枚】それにしても17インチは大迫力！　走りを楽しむためのタイヤとして、ディレッツァZⅡスタースペックを選ぶ。シブいブロンズフィニッシュのTE37Vを採用したホイールなど