並行輸入した旧車。その問題は手に入れてから始まる|1984年式 トヨタ セリカ スープラ Pタイプ Vol.2

車名のPタイプとはオーバーフェンダー付きを示しており、張り出したフェンダーが他のセリカスープラやセリカXXと比べて大きくイメージが変わっている。

       
1980年代、国内から米国市場への輸出車両であったスープラ。いわゆるハチマル車、その2014年取材当時の逆輸入の事情を振り返る。

【1984年式 トヨタ セリカ スープラ Pタイプ Vol.2】【1】から続く

 話を聞くと、個人で並行輸入するには敷居が高いことが伺える。ただ、円高の際に並行輸入を請け負っていた業者も多く、そういったノウハウを利用して手に入れることは難しくない。

 しかし、旧車の問題は手に入れてから始まる。20〜30年前のハチマル車はそのまま乗れるクルマが多いが、内部で進行する不具合が突然表面に出てくることもあるのだ。

 アスリート.1は、手に入れた逆輸入車で不具合がおきた時、頼りになるショップだ。特に6気筒のトヨタ車については他にはないノウハウを持ち、何台ものクルマを救っている。今回紹介するクルマもアスリート.1が太鼓判を推す良質な逆輸入車。ショップが愛媛県にあるため、実際に車両を見ることが難しい人も多いのではと原田さんに尋ねると、
「難しくても遠方から見に来たいという人がいれば交通費を出します(2014年当時。上限あり)ので、現車確認は必ずしてほしいです」とのこと。

【画像11枚】オーバーフェンダーに収まるホイールは現地純正。だが、そのサイズは国産の6.5J×15インチに対し7J×14インチとなるホイールなど



左ハンドルという以外に大きな違いの感じられないコクピット。純正度が高く、大きな変更点としては70スープラの純正オーディオが搭載されていることくらいだ。ミッションは5速マニュアル。





シート類もオリジナルのファブリックシートのまま。フロントおよびリアシートともに破れなどはなく、総走行距離の短さを感じさせるもの。サンルーフも付いており、車内が明るく感じる。





米国の厳しい排ガス規制であるマスキー法に対応した上級スポーツ車用の5M-GEU型2.8Lエンジン。米国ではこのセリカスープラが最初に搭載。日本車は各社一連のクリーンエンジン開発を皮切りに、エコカーへの道を進むことになった。総走行距離は約6万マイルと少なく、エンジンの見た目もキレイ。


【1】から続く

初出:ハチマルヒーロー 2014年 08月号 vol.26(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1984年式 トヨタ セリカ スープラ Pタイプ(全2記事)

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text : 80 HERO/編集部 photo : TAKAHARA YOSHITAKA/高原 義卓

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