当時父が新車から乗ったハコスカと比べたい、自分のハコスカだけの使い込まれた味わい|1971年式 日産 スカイライン 2000 GT Vol.3

彫りの深いサーフィンライン。タイヤはノーマルフェンダーの、しかも爪を折らなくてもギリギリ入る185-60/R14のアドバンネオバを履く。

       
サーフィンラインと呼ばれる、スカイライン独特のリアフェンダーのプレスライン。ここで紹介するオーナーのスカイライン2000GTは、まさにこのサーフィンラインの美しさを再認識させてくれる。

【1971年式 日産 スカイライン 2000 GT Vol.3】

【2】から続く

 オーナーはこのハコスカを購入したばかりの頃は、毎日の通勤にも使っていた。雨の日もかまわず、冬はスタッドレスを履いていたという。

 だが、ハコスカのウィークポイントであるリアフェンダー後ろの袋状の個所や、ドア下のロッカーパネルの腐食が目立つようになり、レストアを決意。そもそも、このクルマを手に入れる前から、いつかハコスカをレストアする時のため部品は集めていた。実はKPGC10用を集めていたので、大半を買い直すことにはなったのだが。

 広島市の竹口自動車で1年半の歳月をかけてレストアを行い、完成したのが2015年9月のこと。その直後の10月18日に開催された門司港レトロカーミーティングに、広島市から福岡県の北九州市まで自走で参加。往復で約400kmのロングドライブは、まさにグランツーリスモの面目躍如で快調なものだった。

 今はレストアが完成し、一度新車並みにリセットしたこのGTを、当時父が新車から乗ったハコスカと記憶の中で比べ、何年か後に、自分のハコスカだけの使い込まれた味わいが出るかを楽しみにしている。


【画像20枚】純正のマフラー。メーカーが早々に製廃し、後にグリーンになったためむしろ貴重なブルーガラスなど


OWNER’S VOICE/父のハコスカの思い出がよみがえる
取材当時54歳。ハコスカは、以前は通勤にも使っていたが、レストア後はさすがに普段使いはせず、大切に維持している。遠方のイベントでも問題なく自走できるほど、コンディションは抜群。奥さまには前から、いつかハコスカを買ってレストアするのが夢と言っていたので、購入時やレストア時にも応援してくれた。ドライブにも喜んで付いてきてくれるという。




直列6気筒エンジンはノーマル風を維持するが、キャブをシングルから240Z用のSUツインに換装。点火系のMDI、68°カムと組み合わされ、しっかりセッティングされている。純正クーラー車はバルクヘッドに補強ステーが付く。





240Z用SUはGT-X用とは口径のほか、ボルト数など細部が異なる。





エンジンルーム内の型式プレート。最高馬力/回転数120ps/6000rpmは前期型の105psよりパワーアップ。


1971年式 日産 スカイライン 2000 GT(GC10)
SPECIFIVATION 諸元
全長 4400mm
全幅 1595mm
全高 1390mm
ホイールベース 2640mm
トレッド前/後 1325/1320mm
最低地上高 170mm
室内長 1755mm
室内幅 1300mm
室内高 1110mm
車両重量 1095kg
乗車定員 5名
最高速度 170km/h
登坂能力 tanθ0.58
最小回転半径 5.3m
エンジン型式 L20型
エンジン種類 水冷直列6気筒SOHC
総排気量 1998cc
ボア×ストローク 78.0×69.7mm
圧縮比 9.5:1
最高出力 120ps/6000rpm
最大トルク 17.0kg-m/4000rpm
キャブレター 2バレルシングル
変速比 1速 3.592/2速 2.246/3速 1.415/4速 1.000
最終減速比 3.90
燃料タンク容量 50L
ステアリング形式 リサーキュレーティングボール
サスペンション前/後 コイルスプリングマクファーソンストラット/コイルスプリングセミトレーリングアーム
ブレーキ前/後 ディスク/ドラム
タイヤ前後とも 6.45S-14-4PR
発売当時価格 86万円


初出:Nostalgic Hero 2016年 2月号 vol.173(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1971年式 日産 スカイライン 2000 GT(全3記事)

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photo : NOBUTAKA KOREMOTO/是本信高

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