どうしても頭から離れなかった、ノーマルの姿を維持した後期型の4ドアGT|1971年式 日産 スカイライン 2000 GT Vol.2

ハヤシストリートホイールが軽快なイメージ。後期型1971年式だが、12月の初度登録で1972型の特徴を持つマスク。

       
サーフィンラインと呼ばれる、スカイライン独特のリアフェンダーのプレスライン。ここで紹介するオーナーのスカイライン2000GTは、まさにこのサーフィンラインの美しさを再認識させてくれる。

【1971年式 日産 スカイライン 2000 GT Vol.2】

【1】から続く

 オーナーにとってハコスカは、父の思い出とともにある。オーナーが子供の頃、父が1970年の暮れに、マイナーチェンジで登場したばかりのスカイライン2000GTハードトップを購入し、10年間乗っていたのが、強く印象に残っていた。息子に自慢しながら、それは大切に。大人になったらハコスカに乗りたい。オーナーの思いはこの時から芽生えていた。

 それから時は過ぎて2005年のこと。とある雑誌の広告で見かけた、4ドアのスカイライン2000GTがオーナーの目に止まった。本当はKPGC10、つまり2ドアハードトップのGT-Rが欲しかったのだが、予算の関係で手が出せなかった。改造されたクルマが多いハコスカの中で、ノーマルの姿を維持した後期型の4ドアGT。どうしてもこのクルマが頭から離れず、数カ月悩んだ末に購入を決意した。

 オーナーが新たに手に入れたこのハコスカに、父にも乗ってもらった。当時を懐かしんだ父は「このクルマはいいクルマだった」と大変喜んだそうだ。しばらくして父は亡くなったのだが、約45年前のスカイラインハードトップGTとともに、この4ドアGTもまた、親子にとって大切な思い出のクルマとなった。


▶▶▶【画像20枚】スピード、タコメーターの針の色はオレンジ。視認性を高めるため透過光式に改良されたメーター照明など


 オーナーはこのハコスカを購入したばかりの頃は、毎日の通勤にも使っていた。雨の日もかまわず、冬はスタッドレスを履いていたという。



後期型のダッシュまわり。ダッツンコンペのホーンボタンはGTらしくブルーに。ミッションを71Cに換装しているが、純正風に細いシフトレバーと組み合わせている。





純正クーラーユニット。本来アイドルアップは手動だが、アクセルワイヤーを引く仕組みのため不調となりやすく、バキューム式に改良してある。カーステはなつかしのロンサムカーボーイ。





シート、フロアマットも純正が残る。ヘッドレストの形状が前期と後期では異なる。シートベルトは腰の2点に、センターピラーから伸びる斜めのベルトをバックルで組み合わせる3点式


1971年式 日産 スカイライン 2000 GT(GC10)
SPECIFIVATION 諸元
全長 4400mm
全幅 1595mm
全高 1390mm
ホイールベース 2640mm
トレッド前/後 1325/1320mm
最低地上高 170mm
室内長 1755mm
室内幅 1300mm
室内高 1110mm
車両重量 1095kg
乗車定員 5名
最高速度 170km/h
登坂能力 tanθ0.58
最小回転半径 5.3m
エンジン型式 L20型
エンジン種類 水冷直列6気筒SOHC
総排気量 1998cc
ボア×ストローク 78.0×69.7mm
圧縮比 9.5:1
最高出力 120ps/6000rpm
最大トルク 17.0kg-m/4000rpm
キャブレター 2バレルシングル
変速比 1速 3.592/2速 2.246/3速 1.415/4速 1.000
最終減速比 3.90
燃料タンク容量 50L
ステアリング形式 リサーキュレーティングボール
サスペンション前/後 コイルスプリングマクファーソンストラット/コイルスプリングセミトレーリングアーム
ブレーキ前/後 ディスク/ドラム
タイヤ前後とも 6.45S-14-4PR
発売当時価格 86万円


【3】に続く

初出:Nostalgic Hero 2016年 2月号 vol.173(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1971年式 日産 スカイライン 2000 GT(全3記事)

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photo : NOBUTAKA KOREMOTO/是本信高

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