オーナーが考えた「新しめで、パーツの入手がカンタンなエンジン」とは?|1968年式 トヨタ ハイラックス Vol.2

ミニ用ドアミラー、荷かけフック等のスムージングでまとめた外観はシンプルそのもの。リアの板バネは80系輸出用で強化済みだ。

       
21世紀、日本の街から消えてしまった小型ボンネットトラックだが、昭和の時代、仕事にプライベートに大いに活躍した働き者であったことに間違いはない。
そんな働くクルマにトヨタの名機「4A-G型」を積んだらどうなるか? 偉大なる昭和のトヨタのコラボ、お見逃しなく!  

【1968年式 トヨタ ハイラックス Vol.2】

【1】から続く

 昭和の初期から発売され、ダットサントラックに対抗すべく、トヨタから放たれたのがハイラックス。その最初期モデルをベースとするのが今回の1台。

 実はオーナーは元もとハイラックスにもトラックにも特別興味があったワケではない。ところが、置き場所がなくて処分したいという友人を見かねて、10年前に手に入れたという。

【画像21枚】部品取りのAE86から、ミッション、ハーネスなど、まるごと移植された4A-G型エンジン。汎用のパーツを加工して、サージタンクにつなげているエアクリーナーなど

 当時積まれていたエンジンは、純正の2R型。これをハチロクでおなじみの4A‐G型に載せ換えている点が、本誌的には一番刺さるポイントだ。

 外野から見れば「馬力のなさ、トラックならではのギア比を考えて載せ換えを決意したのでは?」と推理したくなる。

 「今後のパーツ供給のことを考えると、新しめで、パーツの入手がカンタンなエンジンにしておきたかった」というオーナーの偽らざるホンネらしい。だから、吸排気やラジエーターなどは交換しているものの、エンジンの中身、点火系、ブレーキなどにまで改造の手を広げることはしていない。




バンジョーと呼ばれるタイプのステアリングを付けているが、実はグランツのグリップとニコイチにしたもので、市販のバンジョーではあり得ないφ34mmとなっている。





コラムに載っているのは矢崎のタコメーター。その奥のスピードメーターの針までも、矢野さんは自作していた。





さすがは商用車。ドアの内張りもシンプルそのもの。そこにオーナーはアルミのプルハンドルを付けて、自分らしさを出す。


1968年式 トヨタ ハイラックス
SPECIFICATIONS 諸元
● エクステリア:USテールゲート
オリジナルブラウンメタリックオールペイント、
ワンオフサンバイザー、
ミニ用ドアミラー、エンブレムスムージング、
鳥居&荷かけフックスムージング
● エンジン:4A-G型(ヘッドポリッシュ済み)、
3K型用オイルフィラーキャップ、マウント製作、
メンバー加工、カリ−ナ用ラジエーター流用
● 吸排気系:ワンオフスチールマフラー、
汎用エアインテーク、ワンオフタコ足
● 駆動系:ハチロク用プロペラシャフト加工
● 足回り:(F)ムーンアイズショックアブソーバー、
 (R)80系ハイラックス輸出用リーフ加工、
シャックル加工、
K BEEショックアブソーバー
● タイヤ:(F)トーヨートランパス 185/70R14、
(R)ナンカン195/70R14
● ホイール: エンケイ/
ムーンアイズ・バハ(F)14×6JJ、(R)14×6JJ
● 内装:グランツ製φ34mmステアリング加工
ワンオフバンジョー風ステアリング、
ワンオフスピードメーター針、
矢崎タコメーター、ダッシュパネルラメ塗り、
ハーストシフトゲート&ゴムカバー、
TRDクイックシフト、ラットフィンクシフトノブ、
ムーンアイズアクセルペダル、
ワンオフアルミプルハンドル、シートカバー


【3】に続く


初出:ノスタルジックスピード 2016年 7月号 vol.010(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1968年式 トヨタ ハイラックス(全3記事)

関連記事: 類は友を呼ぶ! レア車やマイナー車ベースのチューンドにスポットを!

関連記事: ハイラックス

text : AKIO SATO/佐藤昭夫 photo : RYUUSEI WATABE/渡部竜征

RECOMMENDED

RELATED

RANKING