ブロンズのRSワタナベ・ホイールに込められた優しさ|1975年式 トヨタ セリカ リフトバック1600 GT Vol.2

アメリカのGTカーを意識したボリュームあるフェンダーにダックテール。 マフラーカッターはオーナーだった故人が取り付けたもの。

       
【1975年式 トヨタ セリカ リフトバック1600 GT Vol.2】

オーナーは、3人の子供もそれぞれ独立したころ、セリカLBを佐世保市に住む知り合いから旧車を譲られることになった。それが今回の取材車両だ。旧車乗りになったオーナーは水を得た魚のように生き生きとセリカLBを整備した。

【1】から続く

 もともとキャブに難のあったクルマだったが、それを修理するのもどこか楽しげだったという。彼は旧車を純正のまま維持することよりも、自分好みにモディファイすることをよしとしており、特にトムスのレーシングカーへの興味があったことは明らか。

 その証拠はステアリングだけでなく、エンジンルームのハーネスやファンネルのフィルターネット、ヘッドカバーなどにも見て取れる。ただRSワタナベの8本スポークホイールを購入するときだけは、オーナーの好みがすべて反映されていたのかどうかは疑問だ。

【画像19枚】セリカはブラックかシルバーのカラーを選択するオーナーが多いが、ブロンズカラーになったRSワタナベ・ホイールなど

 ホイールの購入は、奥さま、娘さんに相談したという。価格が高かったので気を使ったのかも知れない。それに対する娘さんの答えは「ブロンズカラーにしてほしい」だった。

 現在もそのまま履き続けられているブロンズのRSワタナベのホイールには、奥さまに対する故オーナーの優しさが詰まっているのだ。




オイルキャップも金色でトヨタロゴが入ったものが取り付けられている。





キャブレターは純正ソレックスの2連装。ファンネルカバーが取り付けられている。購入後、修理にもっとも時間がかかったパーツだ。






シリンダーヘッドは2T-GR(レギュラー仕様)と打刻されている。 車体形式はTA27MQR-GGとなっている。



1975年式 トヨタ セリカ リフトバック1600 GT(TA27)
SPECIFICATIONS 諸元
全長 4215㎜
全幅 1620㎜
全高 1280㎜
室内長 1600㎜
室内幅 1330㎜
室内高 1055㎜
ホイールベース 2425㎜
最低地上高 165㎜
車両重量 995㎏
乗車定員 4名
登坂能力 tanθ0.60
最小回転半径 5.2m
エンジン型式 2T-GR型
エンジン種類 水冷直列4気筒DOHC
総排気量 1588㏄
ボア×ストローク 85.0×70.0㎜
圧縮比 8.8:1
最高出力 110ps/6000rpm
最大トルク 14.0㎏-m/4800rpm
変速比 1速 3.587/2速 2.022/3速 1.384/4速 1.000/5速 0.861後退 3.484
最終減速比 4.111
燃料タンク容量 50ℓ
ステアリング形式 リサーキュレーティングボール
サスペンション前/後 マクファーソンストラット型コイルスプリング/4リンク・ラテラルロッド付コイルスプリング
ブレーキ前/後 ブースター付ディスク/リーディングトレーリング
タイヤ前後とも 185/70HR13
発売当時価格 82.5万円

【3】に続く


初出:ノスタルジックヒーロー 2015年 08月 Vol.170 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1975年式 トヨタ セリカ リフトバック1600 GT(全3記事)

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photo : NOBUTAKA KOREMOTO/是本信高

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