「4VALVE DOHC」スポーツユニット復活|Nissan FJ20型|ツインカムから可変バルタイへスポーツユニットが続々登場 Vol.1

FJ20型は、チューニングを前提としている設計となっていて、4バルブ、カムシャフトチェーンを採用している。

       
【ツインカムから可変バルタイへ スポーツユニットが続々登場 Vol.1】

 80年代から90年代、一気に加速したツインカムユニット。4バルブ化や5バルブ化、過給器との組み合わせ、そして可変バルブタイミングと、次々に新技術が投入されてきた。その進化はターボのそれを上回る画期的なものだった。

 旧プリンス系の日産のエンジニアはS20型のときからDOHCエンジンにこだわり続けてきた。しかも吸・排気バルブを2本ずつ備えた4バルブ方式でないとDOHCの魅力はないと考えていた。そこで新世代のDOHCとして開発されたのが1989ccのFJ20型直列4気筒DOHC4バルブだ。81年秋、スカイライン2000RSに積まれてデビューした。

 FJ20型はモータースポーツでの使用を考慮して設計されたエンジンである。H20型OHVエンジンを大改造してDOHC4バルブ化し、ペントルーフ形状の燃焼室、2段駆動のタイミングチェーン、インナーシム式直動ダイレクトバルブ、世界初のシーケンシャルインジェクションなど、凝ったメカニズムを随所に採用した。

 81年に登場した新設計のFJ20型は、名機S20型を最後に途絶えていた4バルブDOHCで、特徴はチューニングを前提としている点。4バルブ化やカムシャフトのチェーン駆動もそのためだ。後に190psのターボ付きFJ20ET型、205psのインタークーラーターボ付きFJ20ET型へと発展したが、わずか5年で次世代へバトンを渡した。

Vol.2、Vol.3、Vol.4、Vol.5、Vol.6に続く


初出:ハチマルヒーロー vol.18 2012年7月号(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)


モータースポーツでの使用を考慮して設計されたペントルーフ形状の燃焼室、2段駆動のタイミングチェーンなど【写真2枚】

ツインカムから可変バルタイへスポーツユニットが続々登場(全6記事)

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text:HIDEAKI KATAOKA/片岡英明

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