風鈴丸 ステンレス&ペイントで魅せる本格派仕事車アートいまだ健在!

リア観音扉には、風神がサーフボードに乗ったウイットに富んだモチーフを採用。袋の代わりに扇風機を背負っているというアイデアあふれる構図にも、オーナーのアートを楽しむ姿勢が表れている。

       


真っ赤なキャビンに光輝くステンレスパーツ、箱全面に描かれた躍動感いっぱいの波絵。華やかさあふれるその姿は、’90年代鮮魚便アートをほうふつさせるイキのいい1台。実際、この風鈴丸のワッパを握るオーナーは毎日、鮮魚や冷凍食品を積んで東北〜関東を駆け巡っている。

トップパートは平型バイザーと平角ミラーステーのシンプルな構成。しかしながら、ともにバランスを考慮した絶妙なパーツサイズを実現。シンプルななかにも存在感を感じさせるセンスあふれる仕上がりだ。両パーツともに菱抜き加工を施し、統一感をさりげなく漂わせているのも心憎い。

そして、キャブアートの主役ともいえるキャデラックバンパーが、迫力いっぱいのフォルムでボトムエンドを引き締める。メッキ仕上げのグリルにはブルーバード用のヘッドライトをコンビネーションし、さりげなくフロントマスクのイメージを変更。細やかな演出で、キャデラックバンパーの持つ迫力をさらにグレードアップさせている。

バランスよくまとめ上げられたキャブアートに対し、白塗りの箱には名匠・すずき工芸が腕をふるった波絵をコーディネート。箱周りにはズラリとマーカーも配置され、’90年代のアート華やかなりしころをほうふつさせる。

また、根太をウロコステンレス巻きで仕上げるなど、見えない部分にもこだわりを感じさせる風鈴丸。そのアートからは、本格派仕事車アートいまだ健在という力強いメッセージが伝わってくる。

【写真6点】王道とみちのくを絶妙にブレンド。

カミオン2010年10月号トップアートをもとに再構成

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