伽奈丸 完成度の高いワンオフパーツと芸術的ペイントが高次元で融合

「夜叉と龍」を描いたリア観音扉のペイントは、関口工芸らしい構図と筆致、それにカラーリングが光る傑作。観音扉の下方には、10連角テールを1列で並べている。

       


茨城県在住のオーナーが手塩にかける愛車は、エルフベースのフルアート車。以前は青果や雑貨を運んでいたが、現在はイベント専用車として積極果敢なアートを展開。モダン志向の鏡面パーツと箱3面ペイントでその存在をアピールしている。

一度見たら忘れられない箱3面ペイントは、アート界随一の筆力を誇る関口工芸の作品。関口工芸が得意とする「龍」「虎」「夜叉」など、伝統的なモチーフを描いた作品は、大胆さと繊細さを兼ね備えたタッチと関口工芸らしい紫基調のカラーリングが功を奏し、非の打ちどころのない完成度を実現している。また、同じく関口工芸製で統一したアンドン類は、細やかな渦模様と妖艶なサクラ模様でエレガントさを演出。箱絵と同系色のカラーリングで統一を図ることで、優れたトータルバランスの獲得にも成功している。

一方の大型パーツ類は、コンボイゾーンを経由したうえで、名工アートフレンドに製作を依頼(バイザーとミラーステーを除く)。オーナーが起こした図案に基づいてアートフレンドがアレンジを加えた以心伝心のコラボパーツは、それぞれに重厚さとシャープさを主張しながらも、それでいてパーツ同士のマッチングがピカイチ。ディテールの意匠や完成度の高さは特筆に値するポイントだ。

なお、箱側面には青いマーカーをグルリと1周流すほか、キャブロケット側面に施した凹スペースにも同じく青いマーカーをインストール。さらにはフロントパネルの左右にウインカー連動仕様の8角筒出しステンレスを3発ずつ配すなど、光りモノを駆使したアートワークも秀逸。関東近辺で開催されるイベントに積極的に参加していくというから、その雄姿をタップリ堪能しよう!

【写真6点】モダン志向の鏡面パーツと至高の箱3面ペイント。

カミオン2010年4月号トップアートをもとに再構成

RECOMMENDED

RELATED