日野クルージングレンジャー×トヨタダイナ 北海道屈指の個性派車を駆る熟練トラッカー!

競演、共演、協演、饗宴……。「アートが絆のすてきなライバル対決! ザ・ライバルバトル」コーナー。2009年12月号では、極上レトロ尽くしの小粋デコトラ!

       

国道234号線で生まれたライバル関係!

直希丸さんと明菜丸さんは、北海道のアートシーンをけん引する盟友だ。ふたりの出会いは20年以上前、苫小牧と岩見沢を結ぶ国道234号線でのことだった。

「当時あの街道でいちばん派手に飾ってるのはオレだと自負してたんだよ。『国道234号の管理人』なんて呼ばれていたこともあったからね。そこにだ、ある日、とんでもないトラックが入ってきたわけよ。それが明菜丸さんだよ。そりゃもう『ざけんなコノヤロー』って頭に血が上ったよ(笑)。負けちゃいられないと思って、こっちもがんばって飾るんだけど、向こうもガンガンにやってくるわけよ。手ごわい相手だったよ(笑)」。

一方「最初はそんな感じでしたね。しばらくしてからかな、直希丸ちゃんと無線でつながり始めたのは。初めて会ったときは、怖そうな人だなーって身構えたけど、実際に話をするとすごく気さくな方で、すぐに打ち解けましたね。途中確か10年ほどブランクがあって、数年前にまた連絡を取り始めたんですよ。でも、ふたりともまったく変わってなかった(笑)。飾りに対する意欲は特に。久しぶりにオレのクルマをみて、直希丸ちゃんはたぶん『チキショー』って思ったんじゃないかな(笑)。でも、いつまでも血気盛んに闘争心をむき出しにしてくるところも好きですね」。

冗談がいい合えるのは、お互いに認めあっているがゆえ。「『おまえ100まで、わしゃ99まで、ともに白髪の生えるまで』だよな?」と笑えば「もちろんです!」と明菜丸さん。北海道のアートシーンを支える元気印×2は、まだまだアクセル全開で疾走中だ。




’80年代のテイストを詰め込んだ秀作車!

明菜丸は’80年代風のスタイルに現代的なスパイスを加えた個性派車。街道の道産子トラッカーから一目置かれている。

「初代明菜丸の面影を残しています」というシートキャリアは、3m65cmの最高到達点を誇るご自慢の逸品。「赤地+ミラー文字」の自作アンドン×3枚もさることながら、3段ハチ巻きマーカーの前面中央に採用したV字デザインも、初代明菜丸を知るファンには懐かしいだろう。

ほかにも、精悍なラッセル戻しバンパーをはじめ、菱抜きデザインを施した平型バイザー、3本の角パイプを並列に組んだミラーステーなど、迫力満点にして高精度な鏡面パーツを多数コンビネーション。フロントパネルに配した扇型アンドンや「赤のエナメル」と刻んだグリルアンドン、出幅のあるドアバイザーなど、ディテールにも個性豊かなアイテムを多投しており、他車と一線を画す独創スタイルを構築している。




独創性&レトロモードで唯一無二の装いを披露!

直希丸は、スノーモービルの事故で他界した弟さんの忘れ形見。バスバンパー以外はノーマルだったものを、着実に作り上げてきた秀作車だ。

目玉のバスバンパーは、40cmもの前出しを実現するほか、ボトムエッジに2段で流した青いマーカーも見どころ。フロントパネルを彩るウイングマーク&弁当箱との相性も申し分なく、レトロにして個性満点のスタイルをアピールしている。また、明菜丸工芸製のアンドンやマーカーをセンスよく配した巨大プロテクトップや、薄型バイザー風のブレ留めを組み合わせたミラーステーなど、オリジナリティに富んだ鏡面パーツを多数装着。あえてマーカーにこだわった電飾群もレトロ気分の演出にひと役買っている。

なお「鏡面+文字ペイント」で独創性を表現するアオリや、丸テールを多投したリア下周りなど、荷台周りにも魅力的なビューポイントを散りばめて、観る者を魅了している。

【写真10点】両車極上レトロ尽くし。

カミオン2009年12月号ザライバルバトルをもとに再構成

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