建塗丸 三菱ふそうキャンターをベースにオレ流ハンドメイドで築くレトロデコトラ

父が乗っていたクルマをノーマル状態で受け継ぎ、コツコツとアートアップしてきたオーナーだが、そのアート手法は少し変わっている。

       



普通はベース車に合わせてパーツを買い、取り付けるが、気に入ったパーツをとりあえず買ってしまい、そのあとでどう取り付けるか工夫してクルマを仕上げてきたのだ。このセミハンドメイドともいえる手法が、デコトラを思わせる独創的なクルマを作り上げたといえるだろう。

もっとも特徴的な部分といえるのがトップパートだ。ウロコステンレスのシートキャリアを中心に、アンドンを多数配置したプロテクトップ、先端の上がったバイザーとレトロムードが漂うパーツが並ぶ。丸アンドンやマーカー入りのアンドンバイザーなど、デコトラ全盛期を思わせるパーツ群には、アートへの熱い思いが込められている。

ウロコステンレスの鈍い光りが大好きなので、トップパート以外にもウロコステンレスを多投。しかし、一部にメッキや鏡面ステンレスを使うことで、関東のクルマらしいテイストをみごとに演出している。

そして、このクルマのオリジナリティを一層際立たせているのがフェイス部分。レンジャー2のグリルを移植し、さらに330のヘッドライトをスワップ。ウロコステンレスのフロントパネルや手すりアートも加えられ、唯一無二の顔付きに仕上げている。

東北の巨匠をもじって、黒銀社という名前で仲間うちのアンドン作りも行っているオーナー。このクルマの随所にあしらわれたアンドンの見事な仕上がりにハンドメイダーとしての腕の確かさが現れている。今後もその腕を生かして進化を続けてほしい1台だ。

【写真7点】アートへの熱い思いがふんだんに込められたデコトラ全盛期を思わせるパーツ群。

カミオン2008年2月号トップアートをもとに再構成

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