アートトラック スペースシャトルを冠しド肝を抜く日本丸(1984年10月号)

「夜の観光案内」というセンスあふれる文句が最高にシビれる。


頭上のスペースシャトルを筆頭に、全身を飾り付けているが、違和感を感じさせないまとまりが見事のひと言。

「興奮WOW!」と勢い良く始まった1984年10月号のカスタムアートトラックベスト5、トップバッターを切ったのは、令和の世にもその名を轟かす日本丸だ。

シートキャリアの上のスペースシャトルがすごい。ライトも点くようになっている。
「これ最近、取り付けたばかりなんだ。 スペースシャトルを置くことによってグッと締まった感じになったよ」と、自慢顔なオーナーは、飾りをはじめて3年目、これが2台目になるという。

「飾る楽しみはなんといってもそのクルマに乗るとき、ハンドルを握る楽しさがあること。それにつきるネ」。


アンドンは25個、ランプは130個ほど取り付けてある。バッテリーはそれに合わせてバス用のものを使用。

ユニークなのはフロントグリル。タイガー模様のレザーが張ってある。

「アンドンなどを外して張った。その上からパーツを取り付けてあるから、はがれたりはしない。でも雨の中を走ったりするから、色があせてきているけど……」。

荷台はウロコステンレスを張ってありシックに仕上がっている。

リアには鯉のペイントが描かれてある。なかなか変化にとんだ面白いアートトラックに仕上がっている。


鯉退治をモチーフとしたリアペイント。淡い色使いが車両全体の世界観にマッチしている。

「でもこれで終わりということはないんですよ。シートキャリアをもっと高くしようとか、スペースシャトルを大型に変えようとか、いろいろなアイデアが浮かびます。それがまた楽しいんですが、予算と相談しながらやらないといけませんからね」。

バスマークやテールランプなど細かいところまで行き届いた気配りをみせるキャンターだ。

「4年型だからエンジンが少しくたびれている。200kgくらい重くなっているから、もう少しパワーが欲しい。あとは文句をつけるところはない。内装にも100万円くらいかけてあるから、とてもリラックスして運転できますよ」。

文:編集部 カミオン1984年10月号をもとに再構成

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