当時と同じ音を奏でるこだわりの1台【2】地元茨城の「茨」1文字ナンバー「手放す際はぜひ私に」とアプローチ|1969年式 日産 スカイライン 2000 GT-R

ステアリングホイールは1969年式GT-Rでのみ標準装備された木製グリップのもの。劣化を防ぐため、普段は別のステアリングに交換している

【1969年式 日産 スカイライン 2000 GT-R Vol.2】 
 
 取材車両のオーナー、GT-Rに出合う前には、直列4気筒DOHCの2T-G型エンジンの音が気に入ってTE27カローラレビンに乗っていたが、S20型のエンジンサウンドにたちまち魅了されたのも当然のことといえるだろう。

【画像16枚】オプションのラジオが装着される部分の蓋が、本来の「S」マーク入りから変わっている。センターコンソール上部には燃料計と電流計が並ぶ。ウオッシャースイッチとシガーソケットは初期型のみの白地に英字表記

 そうしてオーナーが2ドアハードトップのハコスカGT-Rを入手したのがおよそ35年ほど前のことだ。ではなぜ現在の4ドアGT-Rになったのかと尋ねてみた。

「ハードトップを買った少し後に、非常に状態のいい1969年式4ドアGT-Rに乗っているオーナーと知り合ったんです。4ドアセダンにS20型が搭載されている『羊の皮を被った狼』っぽさも魅力的でしたが、なにより地元茨城の『茨』1文字のナンバーだったことが大きかった。そこで『手放す際はぜひ私に』と持ちかけていたところ、少ししたらそのオーナーさんがR32スカイラインGT-Rに乗り換える話になり、譲ってもらえることになったんです」と語ってくれた。



 購入時にハーネスなどを新品交換し、エンジンも20年ほど前に大がかりなメンテナンスをしたものの、内外装に関しては購入以来レストアを行うこともなく、写真で見ても分かるように素晴らしい状態が維持されていた。

 オリジナル状態にもこだわっており、ステアリングやホイールも純正品を保管していて、必要に応じて交換するという念の入れようだ。

【画像16枚】ドアノブとウインドーレギュレーターハンドルはデラックス系と同じだが、内張りはGT系の独自デザインになっている。ここもほとんど劣化は見られない

<SPEC. 主要諸元>
1969年式 日産 スカイライン 2000 GT-R(PGC10)
●全長4395mm●全幅1610mm●全高1385mm●ホイールベース2640mm●トレッド前/後1370/1365mm●最低地上高160mm●室内長1775mm●室内幅1300mm●室内高1120mm●車両重量1120kg●乗車定員5名●登坂能力sinθ0.490●最小回転半径5.3m●エンジン型式S20型●エンジン種類水冷直列6気筒DOHC●総排気量1989㏄●ボア×ストローク82.0×62.8㎜●圧縮比9.5:1●最高出力160ps/7000rpm●最大トルク18.0㎏-m/5600rpm●変速比1速2.957/2速1.853/3速1.311/4速1.000/5速(OD)0.852/後退2.922●最終減速比4.444●燃料タンク容量100ℓ●ステアリング形式リサーキュレーティング・ボール(ギア比18.5)●サスペンション前/後ストラット・コイル/セミトレーリングアーム・コイル●ブレーキ前/後ディスク/リーディングトレーリング●タイヤ前後とも6.45H14-4PR●発売当時価格150万円


当時と同じ音を奏でるこだわりの1台(全3記事)

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初出:ノスタルジックヒーロー 2019年2月号 Vol.191
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Makoto Inoue/井上 誠

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