ライバルに勝つためのスカGターボ【1】ターボなくしてGTの名は語れません|1981年式 日産 スカイライン HT 2000ターボGT-E・S【1】

79年4月のマイナーチェンジで、フロントマスクの意匠が変更され、ヘッドライトが角形2灯に。ブラックバンパーとヘッドランプクリーナーはGT-E・S専用装

       
【日産 スカイライン ハードトップ2000ターボ GT-E・S vol.1】
「ジャパン」のニックネームで知られる5代目スカイライン。

1977年8月にデビューした同車は、当時の流行だったウエッジシェイプを強調したデザインを取り入れながら、ケンメリから受け継いだサーフィンラインや丸形テールランプを採用。
ひと目でスカイラインと分かるスタイリングとなった。 その一方で、スカイラインらしさが影を潜めてしまったことも事実。

大ヒットしたケンメリの後継として期待されたが、安全性向上のためにボディサイズが拡大されたうえに、環境対策が進められたエンジンは非力だった。
その結果、スカイラインの魅力であるスポーティーな走りが失われてしまったのだ。
そして、ライバルのセリカを有するトヨタからは、「名ばかりのGTは道をあける」「ツインカムなくしてGTは語れない」といったキャッチコピーで揶揄されることになった。

このように、走りの魅力が薄らいでしまったジャパンであったが、80年4月に大きな転機を迎えた。
それが、スカイラインシリーズ初のターボモデルの登場だ。搭載されるターボユニットは、先にリリースされた430セドリック/グロリアと同じL20ET型で、ギャレット社製タービンをドッキングして145ps/21.0㎏‐mのパワー&トルクを発揮。そしてGTにふさわしい走りを手に入れ、「夢のスカGターボ登場」というキャッチコピーと、「ターボなくしてGTの名は語れません」というフレーズでセリカにリベンジした。

【画像17枚】スカイラインシリーズ初のターボモデルが登場。GT-E・Sにはリアワイパーが標準装備。ワイパーブレードが2本に分かれている独特な形状だ。なお、奥のオーディオボード上に見えるのは純正オプションのピュアトロン


日産 スカイライン ハードトップ 2000ターボ GT-E・S

日産 スカイライン ハードトップ 2000ターボ GT-E・S

省燃費と高性能を両立させたL20ET型。0-400m加 速は16.6秒、0-100㎞/h加速は10.5秒を達成しつつ、だ れにでも扱いやすい特性を実現している。なおこの個体 は、NGKのプラグコードが装着されていた。

省燃費と高性能を両立させたL20ET型。0-400m加速は16.6秒、0-100㎞/h加速は10.5秒を達成しつつ、だれにでも扱いやすい特性を実現している。なおこの個体は、NGKのプラグコードが装着されていた。


ギャレット社 製のタービンは、エンジンルーム助手席側に配置される。

ギャレット社製のタービンは、エンジンルーム助手席側に配置される。


Specifications 主要諸元
1981年式 日産 スカイライン ハードトップ2000ターボGT-E・S(GC211)

ボディカラー:ホワイト
全長×全幅×全高:4600mm×1625mm×1375mm 
ホイールベース:2615mm
トレッド前/後:1370mm/1355 
車両重量:1230kg
エンジン型式: L20ET型 直列6気筒SOHCターボ
総排気量:1998cc
ボア×ストローク:78.0mm×69.7mm
圧縮比:7.6:1
最高出力:145ps/5600rpm
最大トルク:21.0kg-m/3200rpm
変速比:1速3.592/2速2.246/3速1.415/ 4速1.000/5速0.813/後退3.657
最終減速比:4.111
ステアリング:ボールナット式
サスペンション:前ストラット//後セミトレーリングアーム
ブレーキ:ディスク(前後共)
タイヤ:185/70R14(前後とも)
【2】へ続く

初出:ハチマルヒーロー vol.045 2018年1月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

日産 スカイライン ハードトップ 2000ターボ GT-E・S(全3記事)

TEXT : Rino Creative/リノクリエイティブ PHOTO : TAKASHI AKAMATSU/赤松 孝

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