GT1300ジュニア【4】頼れる「ジュリ子」の主治医。エンジンの熱膨張を予測しながら、部品の寸法を調整|1969年式 アルファロメオ・ジュリアGT1300ジュニア

メーターはフラットではなく砲弾型(通称おっぱいメーター)。GTAにはない仕様だが、あえて温存。「段付き、おっぱいメーター、GTAルック」という自分好みを網羅!

アルファロメオという名が気になり、色っぽいデザインに魅せられ、刺激的な走りに骨抜きにされる。多くのアルフィスタと同じようにこのGT1300ジュニアのオーナーも、イタリア生まれのおてんば娘のとりこになった。手塩にかけてレストアし、あこがれのGTA仕様にカスタム。魅力が倍増したおてんば娘との至福の時間を楽しんでいる。

【1969年式 アルファロメオ・ジュリアGT1300ジュニア Vol.4】

【画像16枚】劣化が激しかったサイドシルの周辺は特に念入りにレストアされている。ユニークなロゴを刻んだサイドシルプレートは硬質なステンレス製で、保護機能は高い

「エンジンの熱膨張を予測しながら、部品の寸法を調整したところがポイントです。温間時に、ブロックとの膨張率の差で暴れていたライナーを、ブロックから飛び出し気味に寸法調整することですき間をなくし、動きを押さえ込むようにしました。

同じようにクリアランスが気になったクランクは、メインのキャップボルトに合い面加工を施して、十分に温まった状態で真円になるように調整しています。ようするに、エンジンが十分に温まった時に、ベストな状態になるように組み直したイメージです。それと、ミッションのシンクロには日産の71A用が流用できるのを発見して、ビックリしました」

そう語るジュリ子の主治医である富松さん。ヘッド、シリンダー、インマニ等はガラスビーズでブラスト。


>>インテリアのコンディションは上々。ドライビングをより楽しめるように、ステアリングはナルディに交換。シートもバケットへの交換を検討中。

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主要諸元 SPECIFICATIONS
1969年式 アルファロメオ・ジュリアGT1300ジュニア

● ボディ:フロントまわり&アウタードアハンドルGTA仕様
● エンジン:AR105型、10548カムシャフト
● 吸気系:ウエーバー40DCOE
● 排気系:ステンレスタコ足&マフラー
● 駆動系:OS技研製LSD
● サスペンション:KONI製ショック&ローダウンサス
● タイヤ:ダンロップ ディレッツァ スポーツZ1スタースペック 195/60R14
● ホイール:GTAレプリカ
● インテリア:ナルディ製ステアリング、天井張り替え、ドアパネル自作

【5】へ続く

初出:ノスタルジックスピード vol.024 2020年4月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1969年式 アルファロメオ・ジュリアGT1300ジュニア(全5記事)

TEXT:HIDEO KOBAYASHI/小林秀雄 PHOTO:MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ) COOPERATION : MIZUKAMI AUTO/水上自動車工業

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