マツダK360【2】ケサブローのオーナーは、気づけばマツダに囲まれていたというマツダ一家|1959年式 マツダ K360

かつては日本中でみられた軽オート三輪だが、今となってはこれほどきれいな個体が見られることはほとんどない

マツダK360【2】
【1】から続く

K360の開発にあたり、東洋工業(現マツダ)では既存モデルを徹底的に研究したと考えられる。サスペンション性能、メンテナンス性など、他社との違いを見せて、技術的な向上をさせている。現在のマツダにもつながる、技術力によって武装されたモデルを生み出したのだ。
スクーター的なミゼット、三輪トラック風のヂャイアントコニーなど、どちらとも異なる両者の中間ポジションのような立ち位置で、独特のスタイリング。ミゼットに並ぶ人気を獲得し、「ケサブロー(けさぶろう)」の愛称で呼ばれた。

【画像16枚】エンジンがミッドシップレイアウトになっているので、足元が広々としている室内

後に排気量の大きなT600が発売されると、いろいろな場面で活躍する姿を見るようになった。
当時、群馬県渋川のバキュームカーとして採用されていたT600の姿を見て、そのスタイリングに目を引かれたのが現在のオーナーだ。地元で3代続く自動車工場を経営している。

「家がマツダ系の販売店だったからか、乗ってきたクルマはマツダが多かったかもしれません。ロードスターやコスモスポーツも手に入れましたよ」
そして、とうとう子供の頃に見た、T600の原型となるK360を入手することになった。

【3】へ続く


>>かつては日本中でみられた軽オート三輪だが、今となってはこれほどきれいな個体が見られることはほとんどない。


>>ライトの周りに取り付けられたゴムは代用品を利用しているが、純正品のように馴染んでいる。フロントフェンダーのサイド側、ウインドーの下部には外気を取り込む開閉式の吸気口がある。


>>しっかりとサスペンションの効果が分かるというフロント足回り。ステアリングのギアが最上部に取り付けらている。右奥に見えるのはホーンだ。
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主要諸元 SPECIFICATIONS
1959年式 マツダ K360(KTBA43)

全長2975mm
全幅1280mm
全高1430mm
ホイールベース2060mm
トレッド後1060mm
最低地上高170mm
荷室長1180mm
荷室幅1120mm
荷室高345mm
車両重量485kg
乗車定員2名
最高速度65km/h
エンジン型式BA型
エンジン種類強制空冷2気筒OHV
総排気量356cc
ボア×ストローク55×75mm
最高出力11㏋
燃焼消費率24km/リットル
変速機前進3段、後進1段
ブレーキ前後ともリーディング・トレーリング
タイヤ前/後5.20-12-4PR/5.20-12-6PR
発売当時価格23万円
【3】へ続く

1959年式 マツダ K360(全3記事)
初出:ノスタルジックヒーロー 2020年4月号 Vol.198

(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
関連記事:マツダの100年

text:Keishi Watanabe/渡辺圭史 photo:Masami Sato/佐藤正巳

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