トヨタ1600GT GT4【3】世界の名車に囲まれた生活を送ってきたオーナーが心引かれたのは、幻の一位に終わった1600GTだった

子供心にあこがれたアローライン 当時のレース仕様車に血が騒ぐ!

コロナ1600をベースに開発されたトヨタ1600GT。ここで紹介するのは、岡山にある旧車ショップ「クラブスポーツ」の古泉晃代表のオーナーカー。ロータス、ポルシェ、フェラーリなど、世界の名だたるスポーツカーを乗り継いだ末にたどり着いた今の愛車。古泉さんは「走らせる面白さは、文句なく一番」と断言する。

【1967年式 トヨタ1600GT GT4 Vol.3】

【画像23枚】古泉さんが「伝家の宝刀」と呼ぶレーシング仕様のカム。4000rpm以下が使いものにならなくなるサーキット専用品

JAFグランプリでGT-Rに破れて幻の1位に終わった。そのレプリカを、最近手に入れたらしい。

ちなみにトヨタ1600GTのグレード名となる「GT4」はミッションが4速であることを示し、5速モデルは「GT5」となる。

高校を卒業した後、カーディーラーにメカとして就職した。その頃、日本は、モータリゼーション真っ盛り。空前の好景気を背景に、当時大人気だったスーパーカーの販売店に店長として移籍する。

以降、世界の名車に囲まれる人生を送った。リッチなエキゾチックカーにも乗ったが、シンプルでストイックなスポーツモデルが性に合い、ロータス26R、ポルシェ911RS、フェラーリーF40など、これまでさまざまなスポーツカーを経験。しかし年を重ね、高性能なスポーツモデルにも、あまり引かれなくなったという。


>>ボディはレストアを受けている。アルミ製となる軽量ボンネットは裏骨付きタイプだ。ワークス仕様のパーツのようだが、資料がなく、正確なところは不明だ。


>>大容量のオイルクーラーは、専用ポンプで強制循環させるシステムで、電動式でオン/オフの設定ができる。当時、レース用のオプション品だったスペシャルパーツだ。 
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主要諸元 SPECIFICATIONS
1967年式 トヨタ1600GT GT4

■ボディ:アルミ製ボンネット&トランク、アクリルウインドー(左右、リア)、レース用安全燃料タンク
■︎エンジン:9R型(1740㏄)、ハイコンプピストン
■吸気系:ソレックス44PHH
■︎排気系:φ42.7mmタコ足+φ50mmマフラー
■点火系:セミトランジスターイグニッション
■冷却系:レース用オプションオイルクーラー+オイルポンプ追加
■駆動系:純正4速、LSD
■︎サスペンション:(F)コニ、強化スタビ、延長ロワアーム (R)TRD+レース用
■︎ブレーキ:(F)SR311用キャリパー+14インチディスク (R)アルフィンドラム
■タイヤ:ヨコハマ アドバン・ネオバ 185/60R14
■︎ホイール:RSワタナベ F:6.0J×14 6.5J×14
■︎インテリア:オートルック・ バケットシート、4点式ロールバー

【4】へ続く

初出:ノスタルジックスピード vol.024 2020年4月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1967年式 トヨタ1600GT GT4(全5記事)

TEXT:HIDEO KOBAYASHI/小林秀雄 PHOTO:MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ) COOPERATION : MIZUKAMI AUTO/水上自動車工業

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