ハイウェイ時代の新たなRE専用車【3】親の背中を見て憧れる。マツダ車8台を所有しているオーナー|1971年式 マツダ サバンナGSⅡ

FD RX-7タイプRB、サバンナ、NC/NDロードスター、ファミリアHB、デミオ(後列左から時計回りに)が収まるオーナーの自宅ガレージ・さらに別の場所にも2台のマツダ車を所有している。

【2】から続く

1971年9月にデビューしたサバンナが搭載しているエンジンは、491cc×2ローター・ロータリーの10A型。実はサバンナとコスモスポーツでは、エンジン種類は同じだが少々異なる点がいくつかある。詳しくは【2】で語られている。

【マツダの100年 1971年式 マツダ サバンナGSⅡ vol.3】

 夫婦で、マツダ車を8台所有しているオーナーの71年式GSⅡが、今回の取材車両。中古車店の奥に置かれていた車両を偶然見つけ譲り受けた。実は、初代オーナーが長く大切に乗ってきたクルマを引き継いだ中古車販売店のスタッフが、公に店頭販売をせず、大切に乗ってくれる次のオーナーを探しているところだった。それまで何度か問い合わせがあったものの、「オーバーフェンダーを取り付けたい」とか、「車高を下げて乗りたい」といったユーザーが多く、ふさわしいオーナーが現れるのを待っていたのだ。サバンナは、オーナーが子供の頃に父親が乗っていたクルマで、グレードも現車と同じGSⅡ。店頭を通り過ぎる一瞬、展示車の間からちらっと見えたヘッドライトに気づいたことは、まさに運命の出合いだったといえるだろう。

 入手後は、初代オーナーが取り付けていたアクセサリー部品などを少し整理した程度で、大掛かりなレストアや修復はせず、基本的にオリジナル状態をキープ。オーナーが入手してから17年ほどが経過しているが、これからも、当時の雰囲気そのままの状態を楽しみながら乗り続けていくことだろう。
【画像21枚】引き絞ったアーチェリーをイメージしたサイドクオーターライン。リアのクオーターウインドーは全開可能で、後席でも開放感が得られる



>>黒基調のスポーティーなインテリアだが、最上級グレードだけに豪華装備も付加されている。GSⅡではオートサーチ式AMラジオが標準装備。8トラックカードリッジに差し込むFMステレオパックは後から付けたもの。

SHOP INFORMATION
筆の里工房

〒731-4293 広島県安芸郡熊野町中溝5-17-1
TEL 082-855-3010
FAX 082-855-3011
開館時間 10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日 毎週月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始

広島県安芸郡熊野町は、江戸時代末期から筆の製造が盛んに行われた。熊野筆と呼ばれる書筆や画筆、化粧筆は海外でも有名。筆の里工房は、筆や筆文化を紹介する珍しい博物館。



 OWNER’S VOICE

夫婦で新旧合わせて8代のマツダ車を所有

もともと古いマツダ車を多数所有していたオーナーだが、一度、所有者を整理したことがあったという。そのときでも。このサバンナは手放せなかった。それだけ思い入れがあったという。そうしているうちに再びクルマが増えてしまった。ちなみにNDロードスターは奥様の愛車。デミオから乗り換えた。ロードスター30周年ミーティングには、夫婦揃って2台のロードスターで参加した。




主要諸元 SPECIFICATIONS
1971年式 マツダ サバンナGSⅡ


全長 4065mm
全幅 1595mm
全高 1350mm
ホイールベース 2310mm
トレッド前/後 1300/1290mm
最低地上高1 65mm
室内長 1700mm
室内幅 1290mm
室内高 1115mm
車両重量 875kg
乗車定員 5名
最高速度 180km/h
登坂能力 tanθ0.61
最小回転半径 4.3m
エンジン型式 10A型
エンジン種類 水冷2ローター・ロータリー
総排気量 491×2cc
圧縮比 9.4:1
燃料供給装置 キャブレター
最高出力 105ps/7000rpm
最大トルク 13.7kg-m/3500rpm
変速比 1速3.737/2速2.202/3速1.435/4速1.000/5速/後退4.024
最終減速比 3.700
燃料タンク容量 60L
ステアリング形式 ボールナット式バリアブルギアレシオ
サスペンション前/後 独立懸架コイルバネ/半楕円形板バネ
ブレーキ前/後 サーボ付ディスク/リーディング&トレーリング
タイヤ 前後ともZ78-13-4PR(6.15-13-4PR)
発売当時価格 75万円

【1】【2】から続く

1971年式 マツダ サバンナGSⅡ(全3記事)
初出:ノスタルジックヒーロー 2020年4月号 Vol.198

(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
関連記事:マツダの100年

TEXT:Nostalgic Hero/編集部 PHOTO:Kiyoshi Nishino/西野キヨシ COOPERATION:筆の里工房

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