初めての板金作業などに試行錯誤しつつ、DIYで修理を完遂|1971年式 マツダ コスモスポーツ【4】

エンジン内部はノーマルのサイドポートに金属製の3㎜アペックスシールを装着。始動性は抜群に向上したという。なお、クーラーは軽自動車用のコンプレッサーを流用している

【4】「耐久性がないのでは?」と、登場前からあらぬ嫌疑をかけられていたロータリーエンジン。東洋工業(マツダ)はそのありもしない汚名を晴らすべく、レースの世界へとコスモスポーツを送り込んだ。マラソン・デ・ラ・ルート84時間。RE車初めての耐久レース完走、その1台がレプリカとしてよみがえった。

【1971年式 マツダ コスモスポーツ Vol.4】

【画像27枚】マラソン・デ・ラ・ルート19号車仕様(レプリカ)。点火系は永井電子機器のMDIに換装。吸気系はK&Nのクリーナーとキャブはウエーバー48IDAに交換されている
マツダRE車初のレース参戦、そして見事4位入賞。記念すべき1台、19号車のレプリカ仕様が今回紹介するコスモスポーツだ。

オーナーがコスモスポーツを初めて見たのは幼少期。近所に実車があり、当時から欲しいと思っていたという。

手に入れたのは30年前、自動車専門誌の個人売買ページで見つけた個体だった。手元に来た際、フェンダー内まで水がたまった状態だったのが分かる状況で、ボディは下まわりがボロボロだったりと、コンディションは決していいものではなかった。だが、それも折り込み済み。当初からDIYでの修理を考えていたからだ。

とはいえ、クルマ関連の職に就いているわけでもなく、初めての板金作業などに試行錯誤しつつ、完遂。ノーマル仕様のコスモスポーツが完成した。

【5】に続く



>>φ50mmでタコ足からマフラーまでをつなげる排気系。いずれもステンレス製だ。
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主要諸元 SPECIFICATIONS
1971年式 コスモスポーツ(L10B)

■エクステリア:マラソン・デ・ラ・ルート19号車仕様
■エンジン:10A型(491cc×2ローター)、サイドポート、3㎜金属製アペックスシール、永井電子機器製MDI
■吸排気系:ウエーバー48IDA、φ50mmワンオフステンレスタコ足、 φ50mmワンオフステンレスマフラー
■冷却系:純正ラジエーターOH、オイルクーラーOH
■駆動系:純正5速ミッションOH、デフOH
■サスペンション:(F)エナペタル製ビルシュタイン(R)強化板リーフスプリング、KYB 8段
■ブレーキ:純正ベース使用でレーシングパッドに張り替え
■ホイール:純正 15×5.5J
■タイヤ:アドバン・ネオバ 185/55R15

【5】へ続く

初出:ノスタルジックスピード vol.024 2020年4月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1971年式 マツダ コスモスポーツ(全5記事)

TEXT:NORIO FURUKAWA/古川教夫 PHOTO:MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ) COOPERATION : MIZUKAMI AUTO/水上自動車工業

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