ルノー3もあった! そして日本で人気を博したGTLの時代|1990年式 ルノー4 GTL【3】

オシャレなフランス製小型車最右翼として、日本でも高い人気を誇ったルノー4。合理主義のフランスらしく実用性を徹底追及する設計思想は、30年以上もの長きに亘りフランス大衆の生活ツールとして愛用され続ける、重要なファクターとなった。

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ボディはモノコック。荷室フロアを邪魔することなく田舎の荒れた路面に対処できるストロークの長いサスとするため、バネは長大な横置きトーションバーを採用。特に後輪は、左右輪ともトレッド一杯にトーションバーを配置するべく、トーションバーを前後にずらして配置した結果、左右ホイールベースに長さの違いが生じた。

エンジンは4CVと同じ水冷直列4気筒OHVをそのままフロントに移動。変速機やデフもそのままで、結果として車両前端のトランスミッションから長いロッドを介し、室内のシフトレバーに接続されることになる。一方、排気量も4CVと同様747ccでスタートするが、廉価モデルとして606ccエンジンを積んだルノー3も設定(2年後に消滅)。

さらにドーフィン用845ccを搭載した上級版「シュペール」も63年から追加されたほか、72年からは標準版が782ccに拡大。さらに78年にはルノー8用の1108ccユニットを搭載し、ボディ内外にいささかのモダナイズを施したR4GTLが主力モデルとなる。日本で人気を博したのは、このGTLの時代。デビューは古いが、実はハチマル時代のクルマとも言えるのだ。
【画像16枚】ホイールは、この時代のフランス小型車では「お約束」とも言うべき3本スタッドだ


>>後席を起こした状態の荷室。パーセルシェルフに乗ったスピーカーがハチマル的だ。

主要諸元/SPECIFICATIONS
1990年式 ルノー4 GTL

●年式 1990
●全長×全幅×全高(mm) 3690×1510×1530
●ホイールベース(mm) 2443/2395(右/左)
●トレッド(mm) 1280/1245(前/後)
●車両重量(kg) 700
●エンジン種類 水冷直列4気筒OHV
●総排気量(cc) 1108
●内径×行程(mm) 70.0×72.0
●圧縮比 9.5:1
●最高出力(ps/rpm) 34/4000
●最大トルク(kg-m/rpm) 7.5/2500
●サスペンション 前ダブル・ウィッシュボーン縦置トーションバー
後トレーリングアーム横置トーションバー
●ブレーキ 前ディスク/後ドラム
●タイヤサイズ 前後とも145SR13H
●新車時価格 140万円

【4】へ続く

初出:ハチマルヒーロー2017年7月号 vol.42
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1990年式 ルノー4 GTL(全7記事)

TEXT : Rino Creative/リノクリエイティブ  PHOTO:AKIO HIRANO/平野 陽

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