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ースバル360ー
〜葉山の町〜
加地邸についての問い合わせ先は「加地邸保存の会」まで
いつもレディーバードに乗って「ステキなもの」に合いに行っていますが、
……
「ステキなもの」
っていうのは、ただの「モノ」ではなくて、
結局はその「モノ」に注がれた「ひとの気持ち」なんですよね……って、あたりまえの話なんですが、
今回の旅ではすごくそのことを感じる旅になりました。
葉山に行くきっかけは、大貴誠がドライブ中、
かけっぱなしにしていたラジオです。
作家の小山薫堂さんが「葉山芸術祭」のことをしゃべっていたのです。
それは決まった会場できっちり会期を決めたものではなく、
葉山の町が半月ぐらい、
アートの展示やフリーマーケットなんかをやっています。
ふだん見られない古い住宅や、
若い人がリノベーションした
昭和の民家や庭も見られるらしい。
それがすごくステキらしい。
そんなステキな古民家がいくつもあるらしい。葉山の町を愛するしゃれ者たちが、
良い意味でゆるくつながって、
身近にあるステキなものを、
いろんな人たちに開放しよう、という催しです。
横浜っ子なのにほとんど葉山に行ったことがなかった大貴誠は、
海辺の町で御用邸があるということぐらいしか知らなかったけれど、
このラジオで確信しました。
「葉山はぜったい面白いはず!」と。
そして、行ってみたらばっちり面白かった。
……
草庭
青空アート市が行われる森山神社。その参道にあるガーデンデザイナーの自宅のお庭。このイベントに合わせて公開しています。
「草庭」という名前にふさわしい無造作な感じに、草花や木やハーブが植わっていて、うっとりするようなお庭。ほんとのぜいたくってこういうのを言うんだろうなぁ。
「私がコレだ!と思ったときはぜったいイケるの」
と日ごろから大貴誠が豪語してるのは正しかった。
こういうときの引きは強いです。
……
葉山の町の、何が面白かったか。
これがなんとも
不思議な魅力
というか、御用邸もあるぐらいだから
ハイソな避暑地だろうと思ってたら
想像よりもずっと小ぢんまりした
静かな町
でした
といって、別に取り澄ましてるわけでもなく、
古い料亭か美術館か、っていうぐらいの豪邸もふつうにありつつ、
懐かしいような昭和の住宅があっちこっち向きながら
(ということはつまり敷地がゆったりしてるんです)
建ち並んでる一角もあり、いい感じに町が古びてる。
建築家の清水淳さん(若い!)が、自宅の隣にあったおばあちゃんの昭和の古い民家をリノベーション。シェアオフィスとして活用
すぐ背後に山が迫り、
狭い道が曲がりくねっていて
そういう道こそ
〜レディーバード〜
の出番ですよ
昭和の古い民家をリノベーション
シェアオフィスとして活用
大工仕事、左官仕事は葉山に住むお友達に頼み、
畳数枚ぶんのスペースは壁が取り払われ、
でも適度な「自分の基地」っぽさを保つために、
低い仕切り(ファミレスの仕切りの高さを参考にしたとか)がある
静かだけど楽しげな音楽が流れていて「こんなところで仕事をすれば、さぞやはかどるだろう」!
そんな細道の奥にも、いい感じの家がいい感じの間隔で並んでます。
建築家・清水さんのリノベーション
そして何より
……
大
貴
誠
が
「いいなあ」
と思ったのが、葉山の町には、子供も若い人も、
お母さんもオジサンもご老人も、みんなが町にいるってことでした。
いや、町に老若男女がいるのは当たり前なんだけど、ふつうの町並みを、
若い人たちが楽しく工夫して盛り立てていて、
そこに
いい意味で年甲斐のないオジサンオバサン、
おじいちゃんおばあちゃんが、ゆるーくオシャレして、
ふらっと
やってくるような
そんな
町と人
なのです
加地邸 葉山の高台で静かに眠っているこの家は、87年前に建てられました。
F.L.ライトの高弟である建築家の遠藤新が、家の設計はもちろん、家具や照明器具までデザインした名建築で、
個人の別荘ですが葉山芸術祭の共催企画として特別公開されました。今見ても超モダン。
細部まで建築家の美意識が行きわたっていて、
今ではこんな建物はできないだろうなあとため息。現在はほぼ使われておらず、維持費や修理費もかかるため、
いろいろな人が存続の道を考えているというこの加地邸。
なんとか建物として生かしたい。
「葉山の人はガツガツしていないから町もあんまりにぎわわない」
って、町の人は笑っていましたが、今や日本中ガツガツしてるし、
旧車でのんびり運転するのもあんまり似合わない(気がする)。
大貴誠は葉山に来て
「自分が、これが楽しい、
面白い
と思うことをやって生きていくようなことがあってもいい」んじゃないかと思ったのでした
もちろん、
好き放題やって生きていく
わけにはいかないし、そんなことを言ってるわけではなく(さんざん、好きなように生きてきた、とか言われますが)、
ユニークな発想の芽をつまずに人びとがゆったりと町をつくっている葉山というところが、
すごくいいなと思ったということです。
青空アート市
森山神社は、細長い参道にレトロな集会所、本殿への階段やひな壇がある珍しい構造になっていて、そこにびっしり露天が並びます。本式に染めた手ぬぐい、手作りアクセサリー、洋服やリトグラフ、お菓子にジャム、食器や人形やぬいぐるみ、食べ物の屋台にはエスニックやマクロビ、石焼ピザなど、いろいろな手作りのものがあふれていて、雨模様なのにすごい人出。そしてお客さんがほんとに老若男女、あらゆる人たちが来てました。
「青い鳥は葉山にいたなー」と
うれしそうに言いながら、
帰りのレディーバードのハンドルを握る大貴誠でした。
……飼い猫のアヌーくんもこれがほんとに
「自分の庭」で幸せそう。
イベント用の「ビーツ酵素のココナッツジェラート」もおいしかった〜!
海辺の本市
道路沿いの一軒家で、本のフリーマーケットが開かれていました。本好きの人たちが集まって
「一日古本屋」
を店開き。懐かしいバザーみたいな雰囲気で、大きな木の机で子供たちがお絵かきで遊んだりしていて、
大にぎわいでした。
大貴誠も、懐かしい「星の王子さま」を手にとったり、70年代のアメリカ文化の雑誌を買ったり。
そして家も古民家でした。
大貴 誠(だいき・まこと) OSK日本歌劇団・元男役トップスター。
ノスヒロをむさぼり読んでいた日本で唯一の歌劇スター。2010年夏、念願のスバル360を入手。このクルマと一緒に日本中を旅する予定。
掲載:ノスタルジックヒーロー 2015年 8月号 Vol.170
(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)
text : Rueka Aoki/青木るえか photo:Rumi Matsushita/松下るみ
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