スカイライン党の父と息子2人に愛される思い出が詰まった1台|1989年式 日産 スカイライン GTS-t【3】

オーナーとスカイラインの思い出は、写真としても残っている。下は父親が乗っていたDR30と。中央は12年前にスカイラインミュウジアムに行ったときのものだ

R32というと、やはりGT-Rのイメージが強い。RB26DETT型という最強エンジンとトルクスプリット型4WDのアテーサE-TSを採用し、レースでは前人未到の29連勝を達成したのだから当然だろう。しかし、2.0Lを中心としたGTS系もさらなる進化を遂げ、多くのスカイラインファンから支持された。

【1989年式 日産 スカイライン GTS-t vol.3】

【2】から続く

 オーナーは、このR32を父親と弟の3人で共有している。もともとはケンメリ、DR30と乗り継いだスカイライン党の父が、2人目の子供が生まれることを機に購入した個体だ。そんなオーナーにとって、2歳の頃から自宅にあったR32は家族そのもの。そんな思いもあり、自分が免許を取得してC33ローレルを購入したあとも、父親が使用しない時には率先して乗り、洗車やメンテナンスなども行っているそうだ。

 ちなみにオーナーは「スカイラインというクルマが、いっそう好きになりました。今では、父が以前乗っていた銀/黒2トーンの前期DR30が欲しくて貯金しています。いずれは、このR32と並べたいですね」と話す。

 最近は父親と息子のコミュニケーション不足という話も聞くが、オーナー親子にそんな心配は無用。思い出の詰まったR32は、オーナーと弟、そして父親の3人により、これからも家族の一員として末長く愛されていくだろう。

【画像17枚】GTS-tの標準はスチールホイール+フルキャップ。現在のホイールは、父親が購入したメーカー不明の17インチ。ホイールのスポークの間から覗くブレーキキャリパーが片押しとなり、対向となるタイプMとは異なるのがわかる


ステアリングは、購入時に販売店で装着してもらったインパル913。なお、標準も本革巻きだがタイプMやタイプSとは形状が異なる。
>>ステアリングは、購入時に販売店で装着してもらったインパル913。なお、標準も本革巻きだがタイプMやタイプSとは形状が異なる。

3速にダブルコーンシンクロを採用。シフトストロークは先代より約10%短縮し、素早いシフト操作が可能になった。
>>3速にダブルコーンシンクロを採用。シフトストロークは先代より約10%短縮し、素早いシフト操作が可能になった。

視認性を考慮した6連メーター。ターボ車はスピードメーター左上に小径のブースト計が配置される。なお、後期では文字盤がグレーに変更された。
>>視認性を考慮した6連メーター。ターボ車はスピードメーター左上に小径のブースト計が配置される。なお、後期では文字盤がグレーに変更された。




初出:ハチマルヒーロー2017年1月号 vol.39
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1989年式 日産 スカイライン GTS-t(全3記事)

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text:Rino Creative/リノクリエイティブ photo:MAKOTO INOUE/井上 誠

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