ミッションを譲り受けるつもりだったが…… 通算100勝をあげたロータリーロケット 73年式 マツダ サバンナGT 3

コンパクトなRE12A型が収まるエンジンルーム。レシプロに比べ、重心はかなり低く、しかも軽いのが特徴。現在のエンジンはサイドポートとペリフェラルポートの両方の吸気を持つクロスポート仕様が搭載されている。

8年前の6月、たまたまミッションを売りたいというオーナーと待ち合わせたところ、現れたのがビートブラックのボディが美しいサバンナGTだった。当初はエンジンを譲ってもらうハナシだったが、オーナーは石渡さんならばクルマと予備のパーツなども譲ってもいいと言いだした。しかも、ボディはフルレストア済みで車庫保管、見ての通り文句なしの状態。そこで石渡さんは急いで帰宅し、緊急家族会議を開き、その日のうちに購入を決めたのだ。

 手元に来たサバンナGTは、エンジンとミッションの換装をはじめ、ロールバーやバケットシート、追加メーターなどのモディファイが加えられたが、ボディ回りは程度がいいため手を加えず、サバンナGT本来のスタイルを保っている。もちろん、レースカーともどもガレージに保管し、いつでも走れるようにメンテナンスが施されている。



キャブレターはウエーバー48IDAを装着。ファンネルに茶こしをかぶせて異物が入らないようにしている。



ハウジングに12Aの刻印はあるが、年式などは不明とのこと。



プレートは、東洋工業株式会社のもの。当時、「MAZDA」はブランド名で、84年にマツダ株式会社に変更。ちなみに「mazda」ロゴは75年から。


DETAIL
73年式マツダ サバンナGT(S124A 型)
●全長4075mm
●全幅1595mm
●全高1355mm
●ホイールベース2310mm
●トレッド前/後1300mm/1300mm
●最低地上高165mm
●室内長1700mm
●室内幅1290mm
●室内高1115mm
●車両重量885kg
●乗車定員5名
●最高速度190km/h
●登坂能力tanθ0.72
●エンジン型式12A型
●エンジン種類水冷2ローター・ロータリー
●総排気量573㏄×2
●圧縮比9.4:1
●最高出力120ps/6500rpm
●最大トルク16.0kg-m/3500rpm
●変速比1速3.683/2速2.263/3速1.397/4速1.000/5速0.862/後退3.692
●最終減速比3.700
●燃料タンク容量60L
●ステアリング形式ボールナット式バリアブルギアレシオ
●サスペンション前/後 独立懸架コイルバネ/後半楕円板バネ
●ブレーキ前/後ディスク/リーディング&トレーリング
●タイヤ前後ともZ70-13-4PR
●発売当時価格81.5万円(東京店頭渡し)

ノスタルジックヒーロー Vol.196 2019年12月号(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Isao Yatsui/谷井 功

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