20年を経た今でも、オーナー自らレストアを行ったという一台は美しい状態|1962年式 マツダR360クーペ【3】

ヘッドカバーとクランクケースがアルミ製、オイルパンとクラッチハウジングがマグネシウム製というV型2気筒OHVのBC型エンジン。出力はそこそこだが、徹底した軽量化が図られている。

       
【2】から続く

【1962年式 マツダ R360 クーペvol.3】

オーナー自らレストアを行ったという一台は、完全なオリジナル状態にこだわり、純正部品なども苦労しつつ集めて、レストアを完了するまでにおよそ5年の月日を要した。なお、純正ノーマルでの維持をポリシーとしている菊池さんだが、唯一ノーマルで気に入らなかったのがフロントのナンバープレート位置だ。本来はバンパーの上に配置されているのだが、その取付穴を塞ぎ、バンパー下に移設したのである。こうしてルックスも満足行くレストアが完了したというわけだ。

ちなみに、その頃の様子が本誌97年10月号の「ノスタルジックカーベスト20」の特集内で掲載されている。当時と現在を比較すると、フロア全面に赤いマットを敷くなどしているが、内外装の美しい状態は20年を経た今でも維持されていることが分かる。

「オリジナル状態を維持していくのは大変ですが、そこがまた楽しみでもあり、大きな目標です」と語ってくれた。

【画像21枚】オーナー自らレストアを行ったという一台は、完全なオリジナル状態のマツダR360クーペ


>>リアほどではないが、フロントウインドーも曲面になったラップラウンドウインドーで広い視界を確保している。

>>スタンダード仕様のため、シートもごくシンプルな造りのもの。後席に乗り込む時は、背もたれが簡単に前に倒れるようになっている。後席は大人が座るにはかなり辛い狭さ。

>>フロントフード内の中央にはスペアタイヤが大きく鎮座している。スペアタイヤ以外にも、燃料タンクおよび給油口やバッテリー、燃料フィルターが収まっており、荷物スペースは少ない。



1962年式 マツダR360クーペ(KRBB)


全長 2980mm
全幅   1290mm
全高.  1290mm
ホイールベース   1760mm
車両重量.  395kg
エンジン型式/種類BC型/
空冷90度V型2気筒OHV
総排気量.   356cc
最高出力(ps/rpm)16/5300
最大トルク(kg-m/rpm)2.2/4000
サスペンション前後とも
トレーリングアーム・トーションラバー独立懸架
ブレーキ前/後前後ともリーディング・トレーリング
発売当時価格31万2000円

【1】【2】へ続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2019年2月号 vol.191
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)


1962年式 マツダ R360 クーペ(全3記事)

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photo:Isao Yatsui/谷井功

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