40年前友人から買い取ったシングルナンバー【2】1968年式 ダイハツ コンパーノ 1000 GT

オリジナル状態の室内。大型のタコメーターには7000〜8000rpmにレッドゾーンが記される。ナルディタイプのステアリングが標準採用され、スポーク部分はステンレスの打ち抜きで、美しく輝く。

       
美しいベルリーナに搭載されたスパイダーのスポーティーエンジン。セダンスタイルながらホットモデルとして登場したコンパーノ1000 GTだ。優美なイタリアンデザインは当時の走りを忘れることなく、長きに渡ってオーナーとともに歩み続ける。

【1968年式 ダイハツ コンパーノ 1000 GT Vol.2】

【1】から続く

「友人が手放すというので、クルマを見せてもらうと、珍しいシングルナンバーだったこともあり、すぐに購入を決めてしまいました」という。ノーマル然としていたクルマではあったが、GTとしての走りを堪能するのに十分なポテンシャルを秘めていた。レースシーンで実証されたパワーあふれるエンジンとスタイリッシュなボディ。オリジナルのスタイルを残しつつ、クルマとの付き合いはすでに40年近くなる(取材当時)。

 その長い月日の間、エンジンのオーバーホール、ボディの全塗装を行った。もちろん、特徴的なスタイリングを崩すようなことはなかった。しかし、クルマ好きの性か、走りへのスパイスは忘れていなかった。ワンオフのインマニを組み込みウエーバーを装着。排気側にはタコ足のエキマニを取り付け、パワーアップを図った。

 足回りはスタリング重視でローダウン化されている。フロントはトーションバーを緩めて車高を落とし、KONIのショックを組み込んだ。リアはリーフスプリングを加工して、ローダウン化を実現。イタリアンなエクステリアデザインが、よりスタイリッシュな印象となった。この美しいシルエットで国産車と気づく人も少ない。

>> 【画像15枚】約25年前に知人から譲り受けたホイール、カンパニョーロのエレクトロン101を装着するエクステリアなど



>> シートは張り替えられているがノーマルスタイルを維持。フロアシフトはクロスレシオのフルシンクロで、スポーツ走行をサポートする。






>> 美しいシルエットの2ドアセダンに、ハイパワーエンジンを搭載したコンパーノ1000GT。リアには大型のバックライトとウインカーが取り付けれらた。


U&N C.C. colum /イタリアンセダンに掲げられたGT

コンパーノは1963年にデビュー。バンからスタートし、ワゴン、セダン、スパイダー、トラックとバリエーションを広げている。1965年にセダンのボディにスパイダーのエンジンを載せたコンパーノ1000GTを発売。マイナーチェンジを繰り返し、1969年に後継車種となるコンソルテ・ベルリーナにその地位を譲り、影を薄めた。そして1970年に併売されていた、コンパーノベルリーナ4ドアが生産を終えて、コンパーノは完全に消滅することとなった。




1968年式 ダイハツ コンパーノ 1000 GT(F402)

SPECIFICATIONS 諸元
■吸排気系:ウエーバー40DCOE18、ファンネル自作、インテークマニホールドワンオフ、ステンレスタコ足φ30mm ■サスペンション:(F)KONIショック、(R)リーフスプリング加工 ■インテリア:シート生地張り替え ■タイヤ:FALKEN SINCERA155/65R13 ■ホイール:カンパニョーロ・エレクトロン101 13×5.5J -19



【3】に続く

初出:ノスタルジックスピード vol.021 2019年8月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1968年式 ダイハツ コンパーノ 1000 GT(全3記事)

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【1】から続く

text : KEISHI WATANABE/渡辺圭史 photo : RYOTA-RAW SHIMIZU(FOXX BOOKS)/清水良太郎(フォックスブックス)

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