実車ハコスカと同じSバネをフレームに渡した構造。家具職人が作り出す「本物」の座りごこち【1】NEW GTチェアー

4/5サイズのGTチェアー

       
「あの名車のシートを室内でも使いたい」という人に向け、ハコスカのフロントシート型のチェアを作り上げた家具職人がいる。見た目だけでなく、細部まで旧車愛に満ちた「GTチェアー」を紹介しよう。

【 NEW GTチェアー Vol.1】

 静岡県焼津市に店舗を構える注文家具工房、木工のデンは、クルマ趣味に特化したプロジェクト「デン・モータース」を立ち上げている。クルマ好きの家具職人の趣味が高じて誕生したこのデン・モータースでは、クルマ関連の木工家具や、木工品の製作・販売を企画している。そこで誕生したのが「NEW GTチェアー」だ。GC10スカイライン2000GTのフロントシートをモデルとした木製チェアである。

 ハコスカに限らず、クルマのシートには独特のカッコよさがある。レカロなどの社外シートメーカーが、バケットシート型のオフィスチェアなどを販売しているのを見たことがある人も多いだろう。しかし純正シート型ともなると、そのような製品はまず存在しない。ときおり、ショップが実物をそのまま接客ソファ代わりに使ったり、マニアがリビングに持ち込んで使ったりする様子も見かけるが、日常的に使うには重すぎるうえ、リビングなどで使うにはややオーバーサイズだ。

 そのためGTチェアーでは、ハコスカのシートの外観デザインはそのままに、サイズをおよそ5分の4に縮小。フレーム部分を木製としているため、重さも一般的なダイニングチェアと大差ない。さらに、家具職人の技術を生かし、日常的に家具として使いやすく、インテリアとしても違和感のないデフォルメを行い、完成させている。

>> 【画像18枚】実物のハコスカのフロントシートとの比較など。「Skyline GT」のロゴが入った、日産自動車のライセンス許諾品であることを示すコーションプレートが装着されている背面中央部も




>> 木のフレームのサイド部分に再現されたサーフィンライン。クルマ好きの木工家具職人ならではのこだわりともいえる。






>> こだわりの塊ともいえるGTチェアーの中でも、座り心地はとくに強くこだわった部分だ。座面のベースは実車と同じSバネをフレームに渡した構造になっており、実際の座りごこちを知っている人にとっても納得の再現度だ。


【2】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2018年6月号 vol.187
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

NEW GTチェアー(全2記事)


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text : NOSTALGIC HERO/編集部 cooperation : DEN MOTORS/木工のデン

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