レースが大好き、なんとダブルヘッダーで登場【2】JCCAエンデュランス筑波ミーティング 2017|イベント振り返り

予選前、桑島正美さん(右)との2ショットに応えてくれた決めの表情? たぶん内心は不安と緊張でいっぱいだったのでは

       
横山剣さん、どうやらすっかりレースにハマってしまったようである。折からの雨となった2017 JCCA最終戦、エンデュランス筑波ミーティングに登場。しかも、メインレースの60分耐久レースとS RACEのダブルヘッダー。S RACEには自前の車両、BMW2002を新たに製作しての参戦である。60分耐久は、昨年同様、お友達の桑島正美さんとクルーを組んだ。

【 JCCAエンデュランス筑波ミーティング Vol.2】

【1】から続く


「この天気にはガッカリです。そうでなくても走り込みが足りないのに、まして雨、それも台風でしょう。とにかく、まず無事に走りきることを心がけます。でも、せっかく来たんですから、少しは楽しみたいですけどね」

 6レースが組まれたこの日のレースは、剣さんがエントリーするSレースと60分耐久は、それぞれ第2レースと第4レース。すべての予選は10時5分までに終了し、Sレースは11時25分から、60分耐久は13時15分からの決勝レースと予定されていた。

 しかし、予選後に予期せぬトラブルが発生した。予選で9周したSレースのBMWが壊れてしまったのだ。エンジントラブルで短時間での修復は不可能。やむなく決勝レースを断念しなければならない事態となった。

「残念ですけど、壊れてしまったのですから仕方がない。次に向けて切り替えます。でも、だいぶ走りの調子がつかめるようになってきましたし」


>> 【画像10枚】予選で力走する剣さんのBMW2002など。決勝はエンジンが壊れ、残念ながら不参加となってしまったが、いかにもクルマ好きらしい車種選択に一同納得


 残念ながらも、手応えのある、次に向けて明るい感触をつかんだようなコメントだった。
 一方、桑島さんとクルーを組んで走る60分耐久は、桑島さんが10分、剣さんがアンカーで25分を受け持つスティント割で進められた。

 予選はオーナーの大原さんが担当した模様で、タイムは1分25秒台中盤、ポジションは15台中の7番手。トップタイムが1分20秒台だから、タイム的にもポジション的にも悪くない。いや、むしろ1600ccのS65車両(1962年製)であることを考えれば、これは上出来と言ってよかった。

 しかし、予選ポジションが結果に直結しないところが耐久レースの面白い点でもある。ペース配分やピット戦略など、諸々の要素が勝敗に絡んでくるから変化に富んで面白い。

 と言っても、今回は想定外の台風による雨。無事にクルマをつないでいくことが、上位入賞のカギになりそうな様子を見せていた。実際、このレースの直前に行われたFレースでは、コースアウトによる赤旗中断が2回。

 しかし、そうした心配の目でレースの流れを眺めてみると、よくしたもので、参戦ドライバーが耐久レースの意味を理解して走っていることが伝わってくるから、安心して見ていられる。

 3人それぞれが堅実な走りを見せたポルシェ356は、トラブルもなく35周を走り切って8位で完走。
 剣さんにとっては、すべて満足のいくレースではなかったが、次に向け感触よく終えられたことは確かだった。



>> 1コーナーを抜け第1ヘアピンに向けて加速する剣さんドライブのポルシェ356。フロント荷重が少ない分、雨の日のポルシェは乗りにくいだろうな、と勝手に推測。





>> 緊張したまな差しでピットインする桑島さんドライブのポルシェを待つ剣さん。気持ちを落ち着かせ「さあ、行くぞ」と覚悟を決めて待つのも耐久レースの醍醐味。剣さん、思い切りレースを堪能中。






>> スティントを終え、降り立つ桑島さんから注意事項を二言三言。台風の影響による雨だけにコースコンディションは相当に悪い。不安材料は多いが、ピットを後にする剣さんの目は前を鋭く見つめ集中し切っていた。




初出:ノスタルジックヒーロー 2018年2月号 Vol.185
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

JCCAエンデュランス筑波ミーティング(全2記事)

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【1】から続く

text:AKIHIKO OUCHI/大内明彦 photo:MASAMI SATO/佐藤正巳、AKIHIKO OUCHI/大内明彦

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