剣さん、台風下の筑波を疾走す!【1】JCCAエンデュランス筑波ミーティング 2017|イベント振り返り

1コーナーを抜け第1ヘアピンに向けて加速する剣さんドライブのポルシェ356

       
横山剣さん、どうやらすっかりレースにハマってしまったようである。折からの雨となった2017 JCCA最終戦、エンデュランス筑波ミーティングに登場。しかも、メインレースの60分耐久レースとS RACEのダブルヘッダー。S RACEには自前の車両、BMW2002を新たに製作しての参戦である。60分耐久は、昨年同様、お友達の桑島正美さんとクルーを組んだ。

【 JCCAエンデュランス筑波ミーティング Vol.1】

2017年10月22日/茨城県下妻市・筑波サーキット


 7月のJCCAクラシックカーフェスティバルで顔を合わせた際、「最終戦にはBMWで出る予定です」と言いながら、スポーツ走行枠のジャパンランにS130フェアレディZで参加していた横山剣さん。

 聞けば練習走行のためだとか。Zはチューニングカーで、オーバーヒートを考慮して3ラップまで、と事前の取り決めがあったようなのだが、多忙を極める剣さんが、3ラップの練習走行のためだけに、わざわざ筑波サーキットにまで足を運んできたことに驚かされてしまった。

 内心、こりゃ本物だ、すっかりレースに魅入られてしまった、という印象を強く受けてしまった。
 しかし、驚きはこれだけでは済まなかった。台風の接近を告げる強い雨足の中、JCCA最終戦のプレス受け付けで目にしたエントリーリストには、なぜか「横山剣」の名前が見当たらなかったのだ。エッ、という焦りにも似た驚きだが、ひょっとしてと思い、参加者両のBMWをキーワードに各クラスを当たってみたら、Sレースに「横山正佳」の名前があった。

>> 【画像10枚】緊張したまな差しでピットインする桑島さんドライブのポルシェを待つ剣さんなど。気持ちを落ち着かせ「さあ、行くぞ」と覚悟を決めて待つのも耐久レースの醍醐味。剣さん、思い切りレースを堪能中


 BMW2002でゼッケン69。それを見て剣さんだ、と確信。それにしても、これが剣さんの本名なのかと、改めて知った次第。

 しかし、Sレースだけで60分耐久には出ないのかと思い、改めてエントリーリストを見直してみたら、ゼッケン7のポルシェ356に大原昌桂/横山正佳/桑島正美の名前があった。最初はBMWで探したため見過ごしてしまったが、それでも横山正佳の名前に気付かなければ、再び見落としていた可能性は高い。SレースのBMWが剣さん自身の車両、60分耐久はエントリーリストの先頭に名前のある大原昌桂さん所有の車両となるのだろう。

 それにしても剣さん、Sレースに1968年までのS68クラスを選び、車両をBMW2002としたのは、鋭い選択眼だと思わせた。ご自身がクルマ好きなことに加え、ヒストリックカーレースに精通した周囲のアドバイスがあったのだろう。1960年代のツーリングカーレース(ETC=ヨーロッパ・ツーリングカー・チャンピオンシップ)をアルファロメオと共に二分した車両で、JCCAのレースでも、ここ1〜2年台頭の兆しを見せる上昇株だ。

 しかし、それにしてもあいにくの雨。それもふつうの雨ではなく、台風21号の接近による荒天で、天気予報では、時間を追うごとに悪くなることが伝えられていた。



>> 予選で力走する剣さんのBMW2002。決勝はエンジンが壊れ、残念ながら不参加となってしまったが、いかにもクルマ好きらしい車種選択に一同納得。


【2】に続く



初出:ノスタルジックヒーロー 2018年2月号 Vol.185
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

JCCAエンデュランス筑波ミーティング(全2記事)

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text:AKIHIKO OUCHI/大内明彦 photo:MASAMI SATO/佐藤正巳、AKIHIKO OUCHI/大内明彦

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