2017年のスーパーGT 最終戦で50勝目を獲得!|NISMOレーシングドライバー 松田次生

2017年のGT500を戦った「モチュール オーテックGT-R」。右側のドアにマフラーがあり、ターボによるアフターファイヤーが出ている。

       
「最強のGT–R使い」。松田次生のほかに、そうした賛美を与えられるのにふさわしいレーシングドライバーは見当たらない。国内最高峰のスーパーGTではNISMOのエースナンバーである23号車をドライブし、プライベートではハコスカGT–RやR35ニスモ、R33ニスモ400Rなどを所有する。まさに365日、GT–R浸けのライフスタイルを貫いている。その生きざまは、文句ナシのカッコよさだ。今回はそんな、松田次生の素顔に迫る。

【GT‐R伝説を継承する「R使い」の美学 2017年のスーパーGT 最終戦で50勝目を獲得!】

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 2017年のスーパーGTは、レギュレーション変更により空力が制限された。GT-R勢はフロントのダウンフォースが大幅にカットされ、厳しいシーズン立ち上がりとなった。
「前半2戦は、ポイントを獲るのが精いっぱい。ライバル勢に比べて、開発が出遅れてしまいましたね。今までのコンセプトから抜け出せていなかった反省もあります」と松田さんは振り返る。しかし、逆境に強いのがニスモである。第4戦には早くもNEWエンジンを投入。マシンもどんどんよくなり、着実にポイントを積み上げていった。「正直、残り5戦も持つのだろうか? という不安はありました。特に最終戦。いつエンジンが壊れるかもしれないという中、しっかり出力をキープして攻めることができた。開幕当初はレクサスより1.5秒ほど遅かったのに、最終戦では0.9秒速い予選タイムで走れましたから」。結果は鮮やかなポール・トゥ・ウイン。GT-R勢に今季初勝利をもたらした。ちなみにこの最終戦での勝利は、GT-R(スカイラインGT-Rも含む)のスーパーGT/JGTC通算50勝目という、伝説に並んだ栄光の節目でもあった。


>> 【画像41枚】チームメイトのロニー・クインタレッリがポールポジションを獲得した瞬間など



>> 最終戦はハンデなしのガチンコ勝負。フォーメーションラップの最終コーナーで接触があり、スタート直後の1コーナーでは白煙が⁉︎





>> 圧巻の走りを披露したロニーと握手を交わす松田さん。2人のコンビもずいぶん長く、全幅の信頼を寄せられるよきパートナーだ。





>> ついに通算50勝目を達成したGT-R。そのうちの13勝は松田次生が積み上げてきた。まさに最強のGT-R使いといって過言ではない。スーパーGTの最多勝利数を刻む松田さん。今回の優勝により、自身の20勝目に王手をかけた。来シーズンの活躍にも、ますます目が離せない。




初出:ノスタルジックヒーロー 2018年2月号 Vol.185
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)


NISMOレーシングドライバー 松田次生(全6記事)

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text : ISAO KATSUMORI(ZOO)/勝森勇夫(ズー) photo : RYOTA-RAW SHIMIZU(FOXX BOOKS)/清水良太郎(フォックス ブックス)

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