【 5選】世界レベルに到達した日本のセダン。バブル期の最高級車たち|好景気がもたらした未曾有の躍進 バブリーセダン狂想曲

世界レベルに到達した日本のセダン|バブル期の最高級車たち

       

【バブル期の最高級車たち】


80年代後半から 年代初頭にかけて起こったバブル期。地価や株が上昇し、個人や企業が持つ資産の価値が異常に高騰。海外のブランド品が飛ぶよ うに売れて高級リゾートマンションが各地に建設されるなど、日本中が好景気に浮かれた時代だ。それだけに、クルマの販売も絶好調だった。当時の日本では、ソアラやマークIIといったハイソカーはもちろんのこと、クラウンや セドリック/グロリアといった高級セダンが売れに売れた。そして、500万円クラスのシーマを、皆がこぞって買い求めた「シーマ現象」が巻き起こったのである。そんな好景気がもたらした未曾有の躍進の産み落とした高級セダンたちを振り返ってみよう。

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1993年式 トヨタ セルシオ C仕様 Fパッケージ

 もともとは、トヨタが北米で新たに展開した高級車ブランド「レクサス」のLSとして先行デビュー。日本国内では、1989年10月にリリースされた。「ワールドワイドで通用する世界トップレベルのハイパフォーマンスラグジュアリーカーの創造」を基本コンセプトとして開発されたセルシオは、エンジン、サスペンション、ボディと、すべてにおいてトヨタが持つ当時最高の技術を注入。さらに、徹底的な走り込みを行うために、北海道士別市に広大なテストコースを作ってしまったのだ。そして、開発期間6年、クレイモデル50台弱、プロトタイプ450台以上、全走行テスト350万km以上という開発日程を経て完成したのである。

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1991年式 日産 グロリア シーマ タイプⅡ リミテッド AV

 1988年1月にデビューを果たしたY31シーマは、セドリック&グロリアの上級車種に位置付けられ、3ナンバー専用車として開発。新たな日産のシンボルとなったシーマには、最先端の技術や装備が惜しげもなく投入されたことはもちろんだが、静粛性や快適性、たとえばドアの開閉音ひとつとっても、最上級パーソナルサルーンとして徹底的にこだわり抜かれ、高級車の価値観を作り替えた。また、伸びやかで丸みを帯びたスタイリングを採用し、新時代の到来を予感させたのだった。

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1991年式 日産 インフィニティ Q45 セレクションパッケージ

 結果的には完敗だった。1989年11月にデビューしたインフィニティQ45は、斬新なデザインや卓越した走行性能を備え、欧米の高級車とは一線を画す日本独自の高級車像を作り上げた。そして多くの注目を集めたが、残念ながらLサイズサルーンの購買層に受け入れられることはなく、同年に登場したライバルのセルシオ(北米名:LS400)に販売面で大きく引き離されてしまったのである。

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1992年式 三菱 デボネア V 3000 ロイヤル AMG

 1986年に誕生した新型デボネアは、直線基調のオーソドックスな高級車然としたスタイルで登場。全長4865mmの堂々たるボディサイズや大型で輝くメッキグリルなど、王たる風格と気品を備えていた。その一方、三菱はデボネアにスポーティーという新たなキャラクターも与えようとした。そのためにパートナーとして選んだのは、メルセデス・ベンツのチューナーとして名を馳せていたドイツのAMG社だった。

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1990年式 マツダ ルーチェ 4ドア ハードトップ 3000 V6 DOHC リミテッド グランツーリスモ

 1986年9月にデビューした5代目ルーチェは、それまで同様、マツダの最高級車としての役割が与えられた。ボディサイズは5ナンバー枠いっぱいにまで拡大され、車格は4代目よりも1クラスアップ。クラウンやセドリック&グロリアをライバルとするようになる。しかし、車格ではそれらと肩を並べるようになったが、ルーチェの設計思想は大きく異なる。マツダが高級車に求めたものは、「安心感と安らぎの提供」だった。



>>【画像5枚】1991年式 日産 インフィニティ Q45 セレクションパッケージなど、 バブル期の最高級車たち



初出:ハチマルヒーロー 2015年 09月号 vol.31
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)



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