初代シーマを象徴する装備。センターパッドが動かないステアリングホイール。そしてドアミラーワイパー|1991年式 日産 グロリア シーマ タイプⅡ リミテッド AV Vol.2

オーディオやエアコンの操作スイッチを備えたステアリングは、特徴的な固定式センターパッドを採用。スポーク部分にはクルーズコントロールのスイッチを備える。

       
【1991年式 日産 グロリア シーマ タイプⅡ リミテッド AV Vol.2】

【1】から続く

 バブル経済絶頂期の勢いに乗り、シーマは飛ぶように売れた。車両価格500万円クラスの高級車ながら、4年間のモデルライフでは13万台に手が届きそうなほどの販売実績を残したのだ。当時のアンケートで「値段が高かったから」というのがシーマ購入理由の1位になったというウソのような話がある。そんなバブルを象徴するエピソードも残し、「シーマ現象」と呼ばれる社会現象を巻き起こした。

 さて、ここ数年、改めてシーマに乗りたいというオーナーが増えている。当時は高嶺の花で手が届かなかった、若かりし頃にシーマに憧れたアラフォー世代(取材当時 現アラフィフ)が中心のようだ。今回の取材車両のオーナーであるオーナーもそんなひとりで、「当時からスタイリングが大好きだったんです。F31レパードも持っているのですが、そちらは自然吸気。VG30型ターボに乗りたくて、シーマを選びました」とオーナー。

>>【画像18枚】シーマを象徴する装備のひとつである、タイプⅠ以外に標準装備だったドアミラーワイパーなど



派手な加飾は一切ないが、素材や仕立てはもちろん、スイッチひとつのデザインや操作感にいたるまで、高級感と品の良さにあふれる室内。この個体はオリジナルを保っており、コンディションは奇跡的なほど抜群だ。





ナビやテレビなどの機能を備えたマルチAVシステムは人気装備のひとつ。仕入れ当初は映りが悪かったが、「ブラウン管のAVシステムは必須!」とのことでユーティリタスで修理。今では不具合なし。また、インパネまわりのパネルは後期で本漆塗りとなり高級感が増した。





天然シルク素材を使用したシートは西陣風のかすり柄で、見た目も手触りも良い。本革はオプション設定。このグレードはセンターアームレストにカセットデッキを備える。




1991年式 日産 グロリア シーマ タイプⅡ リミテッド AV(FPAY31)
SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4890×1770×1380
ホイールベース(mm)  2735
トレッド前/後(mm) 1500 / 1520
車両重量(kg)  1670
エンジン型式  VG30DET型
エンジン種類 V型6気筒DOHCターボ
総排気量(cc) 2960
ボア×ストローク(mm) 87.0×83.0
圧縮比 8.5:1
最高出力(ps / rpm) 255 / 6000
最大トルク(kg-m / rpm) 35.0 / 3200
変速比 1速 2.784 / 2速 1.544 / 3速 1.000 / 4速 0.694 / 後退 2.275
最終減速比 3.900
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ストラット / セミトレーリングアーム
ブレーキ ベンチレーテッドディスク(前後とも)
タイヤ 205 / 65R15(前後とも)
発売当時価格 471.5万円

【3】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2015年 09月号 vol.31
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1991年式 日産 グロリア シーマ タイプⅡ リミテッド AV(全3記事)

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【1】から続く

text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ)

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