500万円クラスのシーマを、皆がこぞって買い求めた! もうひとつのバブル期の最高級車たち【 6選!】好景気がもたらした未曾有の躍進 バブリーセダン狂想曲

バブル期の最高級車たち。

       
ここでは、ここまでに バブル期の最高級車たち で、紹介してきたトヨタ・セルシオ、日産 グロリア シーマ、三菱・デボネア、日産・インフィニティQ45、マツダ・ルーチェ。そのほかバブル期に登場した高級セダンたちを紹介しよう。

 80年代後半から90年代初頭にかけて起こったバブル期。地価や株が上昇し、個人や企業が持つ資産の価値が異常に高騰。海外のブランド品が飛ぶように売れて高級リゾートマンションが各地に建設されるなど、日本中が好景気に浮かれた時代だ。それだけに、クルマの販売も絶好調だった。当時の日本では、ソアラやマークⅡといったハイソカーはもちろんのこと、クラウンやセドリック/グロリアといった高級セダンが売れに売れた。そして、500万円クラスのシーマを、皆がこぞって買い求めた「シーマ現象」が巻き起こったのである。

 こうしたバブル期には、魅力的なさまざまな高級車が登場した。それらの特徴は、なんと言っても豪華な装備だろう。応接室を思わせる上質なレザーを用いたシートを採用し、最先端のエレクトロニクスを装備。そして世界初や国産車初といった初モノも数多く開発された。そしてこれらは、過剰とも言えるコストを掛けることができたバブルの賜物といえ、開発費が潤沢だったことを物語っているといえよう。

 また、それまで富裕層しか手が届かなかった輸入車が、より幅広い層に広がったのもバブル期の特徴。資産価値が上昇したことと未曾有の円高により、輸入車の販売が一気に伸びたのだ。そして、BMW3シリーズが「六本木のカローラ」、メルセデス・ベンツ190Eが「小ベンツ」と揶揄されるほど、街にあふれかえった。

 現在は全世界のクルマがコストダウンを図っているが、バブル期のクルマはそんなこととは無縁。今こそバブリーセダンに乗って、真の高級セダンを味わうのもいいだろう。

>>【画像6枚】1987年に登場した8代目 CROWN (S130)など6台


HD SENTIA マツダ・センティア


ルーチェの後継として1991年に登場したセンティア。電子制御4WSやソーラーサンルーフ、ステアリング連動フォグランプなど、新フラッグシップにふさわしい先進技術が盛り込まれていた。


S130 CROWN トヨタ・クラウン


1987年に登場した8代目。4ドアハードトップにはクラウン初の3ナンバー専用ボディが与えられ、室内もより豪華に。また、初代セルシオに採用されたV8エンジンが、先行して搭載された。


Y31 CEDRIC & GLORIA 日産・セドリック/グロリア


1987年にデビュー。シリーズ初の4輪独立懸架を採用し、走りの質感が大幅に向上。スポーティーグレードのグランツーリスモが初めて設定されたのも、このY31からだ。

X81 MARK II トヨタ・マークII


大ヒットした71系の後を継いで1988年に登場。3兄弟とも丸みを帯びたフォルムで一気に新鮮さが増し、ラグジュアリー志向の3Lエンジン搭載グレードも設定された。

KA6 LEGEND ホンダ・レジェンド


1985年にホンダのフラッグシップとして登場した初代レジェンド。ホンダ初のV6エンジンを全車に搭載し、後にターボも追加。スタイリッシュな2ドアハードトップも設定されていた。

MA PERSONA マツダ・ペルソナ


ミドルサイズながら、独自の高級感をウリにしたスペシャリティーカー。特徴はなんと言っても室内で、ラウンド形状のリアシートは応接室のよう。ユーノス300は兄弟車となる。


初出:ハチマルヒーロー 2015年 09月号 vol.31
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

バブル期の最高級車たち

text : Rino Creative/リノクリエイティブ

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