旧車乗りの心をわしづかみにするスポーツユニット5選|情熱のスポーツユニット

「Passionate for Sporting Powerplants」

       
【情熱のスポーツユニット】

他人とは違うクルマに乗っている、という優越感や満足感は、旧車乗りの自己主張そのもの。
その極みとも言えるのが、スポーツ仕様のエンジン搭載車を所有することだろう。
高圧縮比、複数キャブレター、ダブルオーバーヘッドカムシャフト、5速マニュアルミッションなど、クルマ好きの心をわしづかみにする、ホットなメカニズムが組み込まれたクルマたち。
数ある中から選び出した5種類のスポーツユニットを眺めながら、ぜひ妄想をふくらませてほしい。

情熱のスポーツユニット「Passionate for Sporting Powerplants」






3M型/世界を目指した直列6気筒DOHC
1967年式 トヨタ 2000 GT
 トヨタ2000GTにまつわるエピソードは、本誌でもたびたび取り上げてきた。今や世界をリードする自動車メーカーに成長したトヨタだが、52年前の1965年、第12回東京モーターショーでトヨタ2000GTのプロトタイプをお披露目した時、開発に携わったメンバーの視線の先には、欧米のスポーツカーが仮想敵として存在していた。やつらに負けないクルマを絶対に造る、という気概があった。




G161W型//サーキット生まれの生粋GT
1969年式 いすゞ ベレット 1600 GTR
 ベレットシリーズ最後の追加モデルとなるGTRは、1969年9月に発売される。発売前月の8月に開催された鈴鹿12時間レースで優勝したベレットGTXと同じスペックを備えたモデルで、まさにサーキットで生まれた生粋のGTだったのだ。ベレットは国産車で最初にGTの名を冠したモデルであり、このことは当時のカタログで大きく主張している。それまでの国産車にない次元を超えたスペックを有した車種でもあった




J型/クラス最強の高出力を発揮するJ型
1966年式 ダットサン ブルーバード 4ドア 1300 スポーツセダン
 日産を代表するファミリーカーであり、コロナとベストセラーの座を競いながら成長していったのがブルーバードだ。その歴史は、2012年に販売を終了したブルーバードシルフィをもって途絶えた。が、メーテルリンクの童話「青い鳥」にちなんで命名された幸せの青い鳥、ブルーバードを愛する人は今も少なくない。




8R-G型/GTに代わる新しい高性能車の証
1971年式 トヨペット コロナ マークⅡ 1900 ハードトップ GSS
 コロナマークⅡの誕生は、人気モデルであったコロナを発展させた2世代目というのは往々にして想像できる。それ以外にもライバルメーカーたちには大衆クラスのワンランク上級をカバーする車種が存在しており、トヨタとしてはこのクラスにモデル投入の必要性を感じていたはずだ。しかし、コロナマークⅡだから、コロナの系統にあることは間違いないのだが、ただこのハードトップモデルに限っては、コロナファミリーの異端児的存在のトヨタ1600GTからのフィードバックが強い。新しいコンセプトの豪華仕様スポーツモデルということから、トヨタ2000GTも含めたこの3車は、コンポーネンツの流用や改良パーツの共用と、上質な走りを追求した特別仕様という性格も同じだった。




EA53型/専用エンジンを搭載した痛快スポーツ
1968年式 スバル 1000 スポーツ セダン
 軽乗用車のスバル360で大成功を収めた富士重工業が、次に狙ったのが小型乗用車だ。1966年5月に登場したスバル1000は、スバル360と同じく百瀬晋六さんが開発を担当。コンパクトで低重心の水平対向4気筒エンジンのEA52型を搭載。インボードタイプのフロントブレーキ、デュアルラジエーター方式、4輪独立懸架サスペンションなど、当時としては先進的なメカニズムを満載していた。




スポーツユニットの意欲作たち
クルマ好きのあこがれだったスポーツユニット搭載車。改めて1960〜70年代のクルマたちを見直してみると、ラインナップの中に意欲あふれるスポーティーグレードが存在していた。そんなモデルたちを振り返ってみる。


>>【画像12枚】世界を目指した直列6気筒DOHCなど


初出:ノスタルジックヒーロー 2017年4月号 vol.180
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)


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