「GTに代わる新しい高性能車の誕生」トヨタ1600GTからのフィードバックが強いGSS|1971年式 トヨペット コロナ マークⅡ 1900 ハードトップ GSS Vol.1

テールランプは、中央部分が横長の3連ランプ風の形状となっているが、実際にはワンテール。当時はウインカーも赤レンズ仕様だった。

       
【情熱のスポーツユニット】
他人とは違うクルマに乗っている、という優越感や満足感は、旧車乗りの自己主張そのもの。
その極みとも言えるのが、スポーツ仕様のエンジン搭載車を所有することだろう。
高圧縮比、複数キャブレター、ダブルオーバーヘッドカムシャフト、5速マニュアルミッションなど、クルマ好きの心をわしづかみにする、ホットなメカニズムが組み込まれたクルマたち。
数ある中から選び出した5種類のスポーツユニットを眺めながら、ぜひ妄想をふくらませてほしい。

【1971年式 トヨペット コロナ マークⅡ 1900 ハードトップ GSS Vol.1】

 コロナマークⅡの誕生は、人気モデルであったコロナを発展させた2世代目というのは往々にして想像できる。それ以外にもライバルメーカーたちには大衆クラスのワンランク上級をカバーする車種が存在しており、トヨタとしてはこのクラスにモデル投入の必要性を感じていたはずだ。しかし、コロナマークⅡだから、コロナの系統にあることは間違いないのだが、ただこのハードトップモデルに限っては、コロナファミリーの異端児的存在のトヨタ1600GTからのフィードバックが強い。新しいコンセプトの豪華仕様スポーツモデルということから、トヨタ2000GTも含めたこの3車は、コンポーネンツの流用や改良パーツの共用と、上質な走りを追求した特別仕様という性格も同じだった。

 ただし、コロナマークⅡ GSSのみ、「GTに代わる新しい高性能車の誕生」というキャッチコピーとともに、来るべきハイウェイ時代を見据えた設定としてる。GTではなくGSS。これは1600GTや2000GTとも違う新たな取り組みであった。




>>【画像19枚】9R型エンジンを搭載したトヨタ1600GTが短命に終わったため、トヨタ初の量産DOHCエンジンとなった8R-G型エンジンなど



GSSの象徴となっているグレード名のバッチは、後期型はストライプ部分がやや太くなってショート化されている。





テールランプ間の中央リッドを開けると、給油口が現れる。これは盗難防止というより、特別感の演出。


1971年式 トヨペットコロナ マークⅡ 1900 ハードトップ GSS(RT72-MQ)
SPECIFICATION 諸元
全長 4300mm
全幅 1605mm
全高 1385mm
ホイールベース 2510mm
トレッド前/後 1340 / 1325mm
最低地上高 180mm
室内長 1805mm
室内幅 1355mm
室内高 1130mm
車両重量 1050kg
乗車定員 5名
最高速度 200km / h
登坂能力 0.59°
最小回転半径 4.95m
エンジン型式 8R-G型
エンジン種類 水冷直列4気筒DOHC
総排気量 1858cc
ボア×ストローク 86×80mm
圧縮比 9.7:1
最高出力 140ps / 6400rpm
最大トルク 17.0kg-m / 5200rpm
燃料供給装置 ミクニソレックス型ツインキャブレター
燃料タンク容量 52L
変速機 前進5段 / 後退 1段
変速比 1速 3.075 / 2速 1.838 / 3速 1.256 / 4速 1.000 / 5速 0.856 / 後退 3.168
最終減速比 4.375
ステアリング型式 リサーキュレーティングボール
サスペンション前/後 ウイッシュボーン・ボールジョイント / リジッド・リーフ+トルクロッド+LSD
ブレーキ前/後 ディスク / リーディングトレーリング(ドラム)
タイヤ前後とも 165SR14
発売当時価格 107.3万円


【2】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2017年4月号 vol.180
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1971年式 トヨペット コロナ マークⅡ 1900 ハードトップ GSS(全3記事)

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photo:TARO KODA/幸田太郎(Studio Roots)

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