走る、曲がる、止まる、が全て底上げされた、真のスポーツセダン|1987年式 トヨタ マークⅡ ハードトップ GTツインターボ

国産初のツインターボだけあり、人々に強烈なインパクトを残した1G-GTEU型。GX71は唯一の水冷式インタークーラー車で、ヘッドカバー上のソレが目立つ。ちなみにプラグコードはウルトラ製に交換済み。

       
【1987年式 トヨタ マークⅡ ハードトップ GTツインターボ Vol.2】

【1】から続く

 エクステリアでは小振りなリップスポイラーが装着される程度だが、心臓部には日本初のDOHCツインターボエンジンとなった1G‐GTEU型を搭載。このパワーユニットは、信頼性の高い既存の1G‐GEU型にトヨタ内製のCT12型ターボチャージャーを2基組み合わせ、水冷式インタークーラーを装備。カタログ上の最高出力は185psだが、この数値はネット表示。そのため、グロス表示に換算するとDR30のFJ20ET型(205ps)と同等のパワーを発揮していたことになる。ちなみにこの1G‐GTEU型は、後に登場する20ソアラや70スープラ、後継の81系にも搭載されたエンジン。しかし、それらはすべてインタークーラーが空冷式に変更されており、水冷式を採用するのは71系のみだったことも付け加えておこう。

 エンジンの出力が自然吸気の1G‐GEU型より25 psも向上したわけだから、当然その他の各部にも手が入れられている。サスペンションは専用チューニングが施され、ブレーキサイズもアップ。つまり、走る、曲がる、止まる、といったクルマとしての基本性能がトータルで底上げされ、真のスポーツセダンに仕立てられたのだ。

>>【画像18枚】小型のタービンを2基組み合わせることで、ターボラグを低減させつつ、優れたレスポンスとハイパワーを両立している。トヨタ内製のCT12型を採用したタービンなど





吸気効率アップを狙い、エアクリーナーはHKSのパワーフローに変更。インテークパイプはアンリミテッドのワンオフだ。





ハイソカーからスポーツへ、日本初のツインターボを搭載




1987年式 トヨタ マークⅡ ハードトップ GTツインターボ(GX71)
SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4690×1690×1385
ホイールベース(mm) 2660
トレッド前/後(mm) 1425/1440
車両重量(kg) 1350
エンジン型式 1G-GTEU型
エンジン種類 直列6気筒DOHCツインターボ
総排気量(cc) 1988
ボア×ストローク(mm) 75.0×75.0
圧縮比 8.5:1
最高出力(ps/rpm) 185/6200
最大トルク(kg-m/rpm) 24.0/3200
変速比 1速 3.285 / 2速 1.894 / 3速 1.275 / 4速 1.000 / 5速 0.783 / 後退 3.768
最終減速比 4.300
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ストラット/セミトレーリングアーム
ブレーキ ベンチレーテッドディスク(前後とも)
タイヤ 205/60R15(前後とも)
発売当時価格 282.6万円


【3】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2014年 11月号 vol.27(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1987年式 トヨタ マークⅡ ハードトップ GTツインターボ(全3記事)

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【1】から続く

text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : KAZUHISA MASUDA/益田和久

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