他県在住。オークションで見つけた愛車、元ナンバーへのこだわり|1967年式 日産 ブルーバード 1300DX

スーパーソニックラインと呼ばれた直線基調のボディフォルム。歴史的に日本市場は直線を好み丸を嫌う傾向にあった。丸い410系、角のとれた610系は不振、直線基調の510、910は評判がよかった。すっきりとスマートに見え、存在感や押し出しのあるデザインが日本市場ではずっと好まれてきた。形としてのまとまり、あるいは形のよさはあってもラウンドフォルムは受け容れられないという不幸な運命にあった。

       
それほど旧車に興味があったわけではない。一度はAE86で思う存分楽しんだ時期もあったというが、気がつけばそれぞれの時代の現行車を乗り継いでいたというオーナー。
それがある日「旧車もなかなかいいなぁ」と気持ちが傾きはじめると、坂を転がり落ちるようにして急加速。「510は旧車の保守本流、それほどでも」という認識とは裏腹に「やっぱりカッコいい」という思いが募り、510探しに奔走することになったのだが……。

【1967年式 日産 ブルーバード 1300DX 〜2016〜 Vol.3】

【2】から続く

 いったん気にし始めると、矢も盾もたまらなくなるのが人情というものかもしれない。510ブルーバードのことが気になり始めたオーナー、さっそく情報収集に乗り出したという。
「今はすごく高くなっているようですが、当時はそれほどでもなかったんです。といっても、決して安くはありませんでしたが。で、いろいろ探したんですが、なかなか気に入ったクルマがなくて……。安いクルマはやっぱりそれなりだし、程度のいい物はけっこういい値段がしてしまうし。当たり前なんですけど、やっぱり価格相応ということなんですよね」
 それでも根気よく探しているうちに1台の510ブルーバードが目に飛び込んできた。探し当てた先はネットオークションだった。
「データを見る限りなかなかよさそうなクルマでした。なかでも気に入ったのが『岐5』のナンバー。ひと文字、ひと桁のナンバーは、やっぱり旧車の基本ですからね」
 といっても、オーナーは他県の在住。名義変更をしたらそのままのナンバーでは乗ることができない。

>>【画像23枚】残っているのは珍しい、基本保証は1年または2万km、パワートレーン系や重要保安部品は2年または5万kmの保証と記されている品質保証書など



定番旧車なのに引き込まれる魅力「存在感、安心感がいいですね」。




前オーナーは几帳面で整理のうまい方だったのだろう。整備手帳や取り扱い説明書がきれいな状態で残されていた。


【4】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2016年 6月号 Vol.175(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1967年式 日産 ブルーバード 1300DX(全6記事)

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【1】【2】から続く

text & photo : AKIHIKO OUCHI/大内明彦

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