1955年のクラウン誕生からプリンス、ニッサンの最上級セダン登場まで【50年代〜登場編】|セドグロ vs クラウン宿命の好敵手  Vol.1

初代 30 セドリックと初代 RS クラウン

       
時代を超えてしのぎを削る宿命の好敵手

日本のモータリゼーションを牽引してきた
クラウンとセド・グロ両車の戦いは初代の誕生以来、
お互いを強く意識しながら世代と時代を超えて戦い続けて来た

【セドグロ vs クラウン宿命の好敵手  Vol.1】



 日本を代表する高級セダンといえばトヨタのクラウンだろう。威風堂々とした観音開きの初代クラウンが誕生したのは1955年、今から60年近く前のことだ。トヨタ渾身の力作で、前輪のダブルウイッシュボーン式サスペンションや乗り降りしやすい観音開きのドア、量産を意識したボディ設計など、見るべきところが大きい。エンジンは1.5Lの直列4気筒OHVでスタートし、途中で1.9Lを加えた。

 このクラウンを追うように、日産は1960年に最上級セダンのセドリックを販売。ダットサンではなく「ニッサン」の文字を付けたことが高級車の証明だった。セドリックはクラウンよりひと回り大きいボディをまとい、アメリカ車のようにきらびやかなデザインを用いて勝負を挑んだ。初期モデルは個性的な縦型2灯式ヘッドライトを採用している。この時期に乗用車の規格が変わって、小型車枠はエンジン排気量が2Lまでに引き上げられた。規格改正をにらんでセドリックを開発したが、ライバルのクラウンや初代スカイラインも余裕ある1.9Lモデルを投入する。

 皇室とつながりが深いプリンス自動車のフラッグシップはスカイラインだ。だが、1959年に兄弟車のグロリアを送り出し、これを上級モデルと位置づけた。デビューした翌年にはデュアルヘッドライトを採用。この4灯式ヘッドライトが高級車の象徴として迎え入れられる。当然、税制などの改正により、グロリアも1.9Lモデルが主役だ。そして1962年に初めてのモデルチェンジを断行し、完全な独立車種になった。


▶▶▶【画像27枚】初代セドリック30系など



1960年4月 初代 30 セドリック
 




1955年1月 初代 RS クラウン


【2】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2014年 11月号 vol.27(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

セドグロ vs クラウン宿命の好敵手 (全4記事)

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text : HIDEAKI KATAOKA/片岡英明

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