フルラインターボ戦略の旗印。ターボのみのエンジン構成|1986年式 三菱 スタリオン 2000 ターボ GSR-V Vol.2

メータークラスター両側にライト系のスイッチが並ぶインパネ。ステアリングは向井さんがMOMO製に交換している。パワーステアリングはエンジン回転数感応型だ。

       
【1986年式 三菱 スタリオン 2000 ターボ GSR-V Vol.2】

【1】から続く

 1982年に登場したスタリオン、その後、1984年に投入されたのがスタリオンの象徴とも言うべきG63B型ダッシュだ。このエンジンの最大の特徴は日本初となる可変バルブタイミング機構の採用。各シリンダーに大小2本の吸気バルブと1本の排気バルブを組み込み、低速 域では小径の吸気バルブのみを使って低速 トルクを向上。中・高回転域では大径の吸気バルブも作動させて吸入空気を大幅に増大し、ハイパワーを発生させる。このエンジンにより、ツインカムターボやツインターボを搭載してハイスペックをアピールした国内のライバル勢に対抗したのだ。

 さらにターボ攻勢は続き、88年には2.6L直列4気筒SOHCサイレントシャフト付きターボのG54B型を搭載したGSR‐VRをリリース。同時に2LのG63B型ダッシュ搭載車は消滅したが、迫力のブリスターフェンダーを装着したGSR‐VRは、スタリオンの新たなシンボルとなった。

 強力なターボパワーを支えるシャシーは、基本構造はギャラン用と同じだが、ホイールベースを短縮してワイドトレッド化。ターボ車のサスは前後ともストラットで、前は「ハイキャスター、スモール・トレール」と呼ばれる設計。これは5度20分という異例なキャスター角を持つもので(一般的にハイキャスターと言われるものでも4度程度)、高い高速 安定性を手にしている。


▶▶▶【画像20枚】前後/背もたれ/座面の6つの調整機構を備えた、ラグジュアリー感にあふれるソフトタイプの純正シートなど



GSR-Vのメーターはアナログ。他グレードにはデジタルメーターも用意されていた。





GSR-Vは5速 MTのみの設定で、シフトノブは向井さんがラリーアート製に交換。他グレードにはアイシン製4速 ATも用意される。




ドア側にシートベルトが組み込まれる。ドアの開閉などに合わせてメロディーが流れるエタックスも特徴的な装備だ。


スタリオン 2000ターボGSR-V(A183A)
Specification 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4410×1695×1320
ホイールベース(mm) 2435
トレッド前/後(mm) 1410 / 1390
車両重量(kg) 1240
エンジン型式 G63B型
エンジン種類 水冷直列4気筒SOHCターボ
総排気量(cc) 1997
ボア×ストローク(mm) 85.0×88.0
圧縮比 7.5:1
最高出力(ps / rpm) 170 / 5800
最大トルク(kg-m / rpm) 26.0 / 3000
変速比 1速 3.369 / 2速 2.035 / 3速 1.360 / 4速 1.000 / 5速 0.856 / 後退 3.578
最終減速比 3.909
ステアリング ボールナット
サスペンション ストラット(前後とも)
ブレーキ ベンチレーテッドディスク(前後とも)
タイヤ 215 / 60R15(前後とも)
発売当時価格 252.7万円

【3】に続く

初出: ハチマルヒーロー 2014年 08月号 vol.26(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1986年式 三菱 スタリオン 2000 ターボ GSR-V(全3記事)

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【1】から続く

text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : AKIO HIRANO/平野 陽

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