1969年11月、オープントップのSP/SR系フェアレディの後継モデルとして登場したのが、後々、世界で一番売れたスポーツカーと呼ばれることになるS30系「フェアレディZ」だ。
発売当初のカタログを見ると、フェアレディZは3グレードがラインナップしていた。
トップモデルはスカイラインGT‐Rと同じS20型エンジンを搭載するZ432(PS30:432Rは一般販売されないレーシングバージョン)、そしてL20型エンジンを搭載するZ‐L(S30)、そしてZ‐Lの廉価版としてラインナップされたのが、単にフェアレディZとなるS30Sだ。
S30Sは、Z‐Lの廉価版という位置付けのため、基本的なコンポーネンツは踏襲している。
異なる点としては、ミッションがワーナータイプのシンクロを持つ4速が装備され、外観上では、バンパーのコーナーラバー、ホイールキャップ、リアウインドーの熱線プリントがない。
内装にいたっては、カーステレオ、電動アンテナ、時計、熱線デフォッガースイッチ、助手席のフットレスト、シートがノンリクライニングになるなど、装備が簡略化されていた。
初期のフェアレディZではピラーのエンブレムは貼り付けるタイプになっている。
全て車両重量975kg! 廉価グレードゆえの軽量ボディ。装備など、そのディテールの画像を見る
リアゲートには、「FairladyZ」のエンブレムと、車内のエアを抜くためのスリット状のテールゲートフィニッシャーが装着されるのが初期型の特徴。
リアのガラスに熱線がないのがS30Sの特徴。また、初期型のテールゲートの内張りは空気が抜けるようになっている。
ほぼ初期型S30Sのオリジナル状態の内装。オーナーが気になる点としては、時計が付いているのとデフォッガースイッチがある点だ。
初期型のL20型エンジンには、日立製SUツインキャブレターHJG38W-3型が採用されていた。インマニやエアクリーナーを含めて、当時ものをOHして装着。インナーフェンダーに取り付けられている点火コイルも当時の純正だ。
1970年式 日産フェアレディZ(S30S)主要諸元
●全長4115mm
●全幅1630mm
●全高1280mm
●ホイールベース2305mm
●トレッド前/後1355/1345mm
●最低地上高160mm
●室内長820mm
●室内幅1390mm
●室内高1075mm
●車両重量975kg
●乗車定員2名
●登坂能力tanθ0.467
●最小回転半径4.8m
●エンジン型式L20型
●エンジン種類水冷直列6気筒SOHC
●総排気量1998cc
●ボア×ストローク78.0×69.7mm
●圧縮比8.6:1
●最高出力125ps/6000rpm
●最大トルク17.0kg-m/4400rpm
●変速比1速3.592/2速2.246/3速1.415/4速1.000/後退3.657
●最終減速比3.700
●燃料タンク容量60L
●ステアリング形式ラック&ピニオン
●サスペンション前後とも独立懸架ストラット・コイル
●ブレーキ前/後ディスク/リーディングトレーリング
●タイヤ前後とも6.45H14-4PR
●発売当時価格93万円
掲載:ノスタルジックヒーロー 2012年10月号 Vol.153(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)
車両重量975kg! 廉価グレードゆえの軽量ボディ。装備など、そのディテールの画像を見る
text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Motosuke Fujii/藤井元輔
「ひかえめだけど脱いだらスゴイ」。雰囲気ただよう大人のクルマ|1976 ...
現役当時はさまざまなカスタムを楽しむ方も多いが、年数が経過し、旧車になるとオリジナル志向が強くなり、マーケットでも価値あるものと評価される。もちろん、純度の高さにこだわるのも一つの楽しみ方だが、一生の ...
2024.04.18
【刑事ドラマ旋風】横浜をクール&スタイリッシュに駆け抜けた破天荒で情に ...
【80年代 刑事ドラマ旋風 あぶない刑事】 日産 レパード アルティマ&日産 レパード アルティマ V30ツインカム vol.1「あぶない刑事」の主人公はタカとユージこと鷹山敏樹(舘ひろし)と大下勇次 ...
2024.04.04
3年越しの妄想を経て、ハコスカオーナー理想のガレージが完成!|旧車オー ...
約3年の構想を実現させ、自宅にマイガレージを新築したオーナー。本業の技術も生かされたガレージは、天地スペースを増築することで容積を拡大。さまざまな創意工夫が施された夢の空間なのである。【旧車オーナーの ...
2024.04.26
【9】結婚と理想のハコスカという夢を同時に実現したオーナー。息子のため ...
漫画に登場するハコスカへのあこがれからスタートし、エンジンを載せ換え、そしてボディの修復に合わせての大がかりなイメージチェンジで生まれ変わったハコスカ。欧州車を思わせるしっとり系のグリーンをまとったボ ...
2024.03.21
7台すべて現存しているらしい「赤いケンメリGT-R」|73年式 スカイ ...
197分の7台、すべて現存 ●73年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R ケンメリ・スカイラインのカタログをチェックしてみると、イメージカラーのブルーメタリックやホワイト、シルバー、ディー ...
2020.04.14
マツダ787B、故郷ル・マンに帰る 3
サルテに響きわたった“官能の”4ローターサウンド 車検場としても知られるジャコバン広場からパレードランはスタート。寺田陽次郎からD.ケネディへとドライバーチェンジ。 目の前で、 ...
2019.09.15