【ドシャコVWキャンパー見参!!】ビンテージな車内も見逃せない! 低さと強度を両立したシャシーメイクもポイントなVW・タイプ2

草むらに沈んだようにも見えてしまう超ロワードフォルムなフォルクスワーゲン・タイプ2

       
60’sカルチャーに思いを馳せた
レトロでCOOLなVWキャンパー!

【画像9枚】居住性と装備に優れたビンテージな車内空間、低さと強度を両立したシャシーメイクなど、遠征だってOKなアパレルブランドのコマーシャルカーとしても活躍するタイプ2の詳細はココをチェック!!

UK=イギリスより、HOTなマシンが到着!!

ヨーロッパ中のVWフリークを虜にした1968年型タイプ2キャンパーについて、当時の現地シーンとwebメディア「Superfly」を織り交ぜながらイギリスのカスタムシーンにフォーカスしてみよう。

このタイプ2を眺めていくと、真っ先に目に飛び込むキャンパーシェルがアイキャッチ。
さらにスタティック=生足で限界ロワードを達成したそのシルエットは極めて低く、いかにもVWらしいスタンスを獲得していることがわかるだろう。

さらに、キャンパーやキャビン、インテリアへレタリングを施すことで、60’sカスタムを踏襲したフレーバーを追求。
そして、実はパネルのダクトや凹凸はエアブラシで再現したり、一角にアイスチェストを作ってしまったりと、アメリカや日本のVWシーンとはまた異なる斬新なアイデアが盛り込まれているのもこのクルマの特徴なのである。

そんなPOPでキャッチーなタイプ2の製作を思い立ったのは、イギリスでVW系アパレルブランドを営むカーターブラザーズの3兄弟。
「幼少期から何をするのも一緒だった」という彼らは、それぞれがクラシックVWを所有する大の空冷フリーク。
そこで「もっとシーンに貢献できないか」と、アパレルブランド「Cool Flo」をスタート。
空冷VWをテーマにしたTシャツやパーカはたちまちヒットをし、カーターブラザーズの名はヨーロッパ中で知られる存在となっていった。

こうしたなかで、ブランドのコマーシャルカーを作ろう! となるのは自然な流れ。
そう、つまりCool Floというブランドネームがそのまま与えられたこのタイプ2は、カーターらが各地のショーでアパレルを売るためのいわばデモカー的存在なのだ。

偶然にもレアなビンテージキャンパー仕様のタイプ2を入手した彼らは、早速計画を開始。
ビジネス同様、兄弟3人でアイデアを出し合ったという本作は、Cool Floのアイコンとしてヨーロッパ中を走り回っていることだろう。



>>スタティック=生足で限界のローダウンに挑んだ足元は、ポルシェ用のフックスより15×6インチを捻出。ちなみに、エンジンはスープアップされた1915ccとなり、ディスクブレーキにもポルシェ用が選ばれている。


>>外装の一角はアイスチェスト、つまり氷を入れるためのクーラーボックスとすることで、このクルマのテーマを強調。また、アルミ地のパネルにはエアブラシでダクトやプレスラインを再現するというユニークなアイデアも!


>>至るところに入れられた60’s風レタリングは、オーナー兄弟が運営するアパレルブランドのトレードマークにして、このタイプ2のキャッチコピー。エアブラシを担当したのはヨーロッパで活躍するアーティストProsign。


>>アルミ製のビンテージシェルを積載するにあたってシャシーはワイド化され、各部に耐久性を追求。併せてエンジンとギアボックスを6cmかさ上げし、前後ショックのリロケートなどでローダウンに伴うクリアランスを確保したという。


>>外板のアルミパネルに対し、インテリアはウッドをふんだんに使ったビンテージな空間となる。また、フックスホイールのテーブルを挟んでベンチシートを左右にレイアウトすることで、リビング的スペースとしている。


>>コンロや冷蔵庫が備わるシンク付きキッチンなど、キャンパー本来の装備ももちろん充実している。


>>イギリス仕様だけに、右ハンドルとなるキャビンスペース(運転席)は、1968年の風合いをそのままに入念なレストアメイクを施工。そのフロアパネル下では、フロントビームとサスペンション、ショックマウントの加工などによってローダウンに必要なクリアランスとハンドルの切れ角が保たれている。


>>ダッシュボードにはこのタイプ2のオーナー3人、つまりカーター兄弟の名を象ったレタリングをピンストライプでドロウする。


>>アルミ製キャンパーが載せられた1968年型タイプ2こそ、アパレルブランドのプロモーションにピッタリ。ということで、完成後はヨーロッパ中のVW系イベントに顔を出し、Cool Floクロージングの名を一躍有名にした。

【画像9枚】居住性と装備に優れたビンテージな車内空間、低さと強度を両立したシャシーメイクなど、遠征だってOKなアパレルブランドのコマーシャルカーとしても活躍するタイプ2の詳細はココをチェック!!


『カスタムCAR』2021年1月号掲載
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
BASE CAR:フォルクスワーゲン・タイプ2/1968年型

PHOTO/Superfiy Autos TEXT/竹下伸吾

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