【CA18DETへ換装済み!!】S13シルビアのモーターが宿るフロント跳ね上げ“ギャッサー”仕様のスポーツセドバン!

個性的なフロントフェイス&エンジンを換装するスポーティ仕様のセドリックバン

       
旧車!? アメ車!? 正体不明な謎バンは
貨物車ならぬモーター換装済みの快速マシン!

【画像10枚】他車種流用のグリル&ベゼルで見るモノをかく乱するフロントフェイス、CA18DETへ換装したエンジン、“ギャッサー”狙いで前をカチ上げた足回りなど、セドリックバンの全貌はココから明らかに!!

殺伐とした工業地帯をバックに、異様な雰囲気を醸し出すパンクでラットな謎グルマ。
その正体は……Y30型セドリック。
それもチープな4ナンバーの商用グレード!

そんなクルマをあえて選んだこのオーナー。
希少なベンチシート&コラムシフト仕様を気に入って、コイツで遊んでみようと思ったワケだ。

カスタムの仕掛人は、国産旧車やクラシックアメリカンのボディワークなどを幅広く手掛ける「タンゲファクトリー」。
まずはフロントマスクだが、あたかも1960年前後のアメリカンカーちっくな顔つきを、工場に転がっていた中古パーツなどの組み合わせで巧みに演出。
丸形4灯ライトが収まるヘッドライトベゼルはS54系スカイラインから、細かい格子模様のグリルは三菱デボネア用、サビさえ粋な演出となるバンパーは50系クラウン前期モデルからの流用となる。

そんな異種混合の顔面移植に合わせ、ボンネットフードの先端をグリルに向けて下方に延長したり、ライトベゼルの形状にマッチするよう左右フェンダーに凹凸を付けるなど、ボディワークもなかなか秀逸だ。

ついでにみれば、後部のドアハンドルが観音開き風に前方へとリロケートされてたり、実は軽自動車のミニカ用サイドウインカーを付けてたり、なんて遊びゴコロも散りばめてあったりもする。

だがしかし、“ハイパーチューン”と呼ぶにふさわしいポテンシャルの秘密はエンジンスワップ。
こんな見た目のワリに、と言っちゃ失礼だが、かのシルビアを筆頭に人気を博したCA18DETがバシッと搭載されてるのだ!

そんなスワップが可能だったのは、このベース車両が低グレードのバンであるからゆえ、元々のエンジンも4気筒のCA型だったから。
ターボ化されたためにエンジンルームは少々窮屈な感じになったけど、その甲斐あって走りのパフォーマンスは飛躍的にアップ済みだ。

で、トドメの演出は、フロントサスの加工によるフロントかち上げ!
これは1960年代中盤のアメリカで、市販車クラスのドラッグレーサーたちがタイムを縮めるため編み出したリアのトラクションを稼ぐ工夫。

“ギャッサー”と呼ばれるそんな姿が意外にもドンピシャにハマった、超々異端児な意欲作ナリ〜!!



>>一見、国産旧車かOLDアメ車か? ってなフロントマスクだが、特徴あるライトベゼルは、プリンススカイライン(2代目)からの流用となる。


>>グリルはデボネア用をハメ込み、ボンネットノーズはグリル側へと延長した。さらに、クラウン用のアイアンバンパーを装着し、バンパー下のウインカーはミニカトッポから流用。秀逸なのが、ライトベゼルのラインに沿って、フロントフェンダーを鈑金加工で成形した点。これらによってインパクト大な謎マスクに変貌しているのだ!


>>ロードスターからの流用と、ピープミラー装着で、ドアミラーはダブル付け。丸っこいミラー×2だけど、顔面変更により、これらも違和感なく収まっている。


>>後ろから見れば一目瞭然、Y30のバン。フロントマスクだけ見ると、????がたくさん並ぶけど、全体的なフォルムはY30そのもの。しかし、意外な料理方法があるもんですな〜。個性的な仕上げ方にアッパレ☆


>>’60年代のドラッグレースで人気のあったギャッサースタイルを取り入れ、全体的なフォルムは前上げに。コレにより、トラクションをリアにかける、なんて本来の目的があるワケじゃなく、オーナーのアメリカ好きがこのカスタムの端緒となる。ちなみに、リアドアのドアハンドルはヒンジ側にリロケート。現状、開き方はノーマルのままだが、コレは次なるカスタム=観音開きへの布石だ。


>>肝心の前上げの足回りは、純正ストラットサスのコイル受け皿を50mmアップすることで実現している。


>>足元は黒塗り純正鉄ちんにBFグッドリッチの組み合わせ。武骨なルックスでドラッグレーサーらしさを演出している。ダミーではなく、エキマニからプラスしたサイド管も雰囲気アリだ!


>>元々のエンジンは、シングルカムのCA20だが、S13シルビアから移植したCA18DETに載せ換え。もちろん、走りをスポーティにするためで、同じCA型ってことからのチョイスとなる。


>>ボンネットにはエアスクープも装着し、熱対策でスクープ裏に電動ファンもセットしている。


>>マジか遊びか!? すべてがまるで想定外となる異端カスタムが炸裂! エンジン換装など、走りをスポーティにするためのカスタマイズも施されている快速マシンだ!!

【画像10枚】他車種流用のグリル&ベゼルで見るモノをかく乱するフロントフェイス、CA18DETへ換装したエンジン、“ギャッサー”狙いで前をカチ上げた足回りなど、セドリックバンの全貌はココから明らかに!!


『カスタムCAR』2016年5月号掲載
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
BASE CAR:セドリックバン/1991年型
SOURCE:タンゲファクトリー

PHOTO/佐藤亮太

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