【エンジンルームにRB25DETをドスン!!】ピアッツァのいすゞ製4気筒をRB25DETへとスワップした旧車ドリフター見参!!

キレ角が尋常じゃないフロントの足回りに注目! 唯一無二の旧車ドリフター、いすゞ・ピアッツァ

       
RB25搭載! ピアッツァの皮を被った
サイボーグ・旧車ドリフター!!

【画像10枚】7Jの太いリムを飲み込むワイドフェンダー、自作ロールケージ&ツーシーターのスパルタンなインテリア、日産車用パーツをミクスチャーし、RB25DETへとスワップしたエンジンルームなど、唯一無二のドリ車・ピアッツァの全貌はココを見よ!!

和のFRスポーティ旧車をバキバキにイジった走り屋スタンスは数あれど、この茨城のプライベーターのドリフトロケットは想定外すぎ!
なんと、かのジウジアーロがデザインを手掛けた、いすゞピアッツァの初代型なり〜!!

グレーで染め上げた外観は、姉妹車ピアッツァ・ネロ用の鋭い角4灯ライト、鉄板オバフェン溶接のワイルドなルックスがカタ破りな異彩感ビンビン。
フロントタイヤの尋常じゃない切れ角や、トレッド幅を稼いだ深リム足元もガチ系ドリフターの証なのだ。

が、オーナーDIYの想定外モッズでもっとも激ヤバなのが、ピアッツァとは完全に別物へと超絶進化を遂げた中身!
低く傾斜したフロントノーズに収まる心臓は、いすゞ製4気筒ではなく、まさかの日産製RB25DET換装による直列6気筒2.5リッターDOHCターボユニット!!

リアサスもR33スカイラインのマルチリンク移植を筆頭とするスワップ尽くめ。
フロントサスも本来のダブルウイッシュボーン式を取り払ったうえで、他車パーツ流用を駆使したフルタップ車高調+フルピロのストラット式に変更済みという大胆不敵ぶりだ。

まさしく昭和のピアッツァの皮を被ったサイボーグマシンと呼ぶにふさわしい力作だが、不動車同然の個体を破格値で入手した時点ではここまでイジる気はなかったとのこと。
自力でレストアを試みるうちに「コイツでドリフトしたい!!」という願望が芽生え、手始めに友人から2万で買ったRB20DETを換装するも、サーキット走行でエンジンがあえなくブロー。
その後、路上復帰に向けた新たな強心臓への載せ替えと同時に、パワーに見合った足回りと駆動系を手に入れたのが現在形であり、そのほとんどが解体車の中古部品とホームセンターで調達した部材でまかなわれているという、衝撃の事実にも思わず脱帽でアリマス!!



>>シブい仕上がりのインテリアは、セカンドシートを取り去り車重を軽減。ロールケージは単管パイプを加工したワンオフ。そのほかドリフト走行のため、サイドブレーキは縦引き式へ換装。リアゲートのガーニッシュパネルは、たまたま手元にあったインパルス(北米仕様車)の純正をセットしている。


>>ドリフト用に数種類ストックしているホイール&タイヤ(15×7J IN15&195/50R15)の出幅に合わせて、メタル製のオバフェン(フロント:片側70cm、リア:片側50cm)をワンオフ! インナーのクリアランスを確保すべく、フロントはフェンダー上部まで切り上げたため、オーバーフェンダーの頂点はボンネットにまで食い込むワイルドなスタイルに。


>>ベースは走り屋とは無縁に等しい初代いすゞピアッツァ。117クーペの後継として誕生した初代ピアッツァは、イタリアのデザイナー、ジョルジェット・ジウジアーロがデザインを手掛けたハッチバックだ。もちろん、ドリフトしようにもモディファイパーツはほぼ皆無。なお、エクステリアはグレーでオールペンしている。


>>パワフルなドリフトを実現すべく、RB25DETエンジンへとスワップ! 排気量は純正の2リットルから2.5リットルへ、馬力は150psから280psへとパワーアップを達成した。もちろん、いすゞ製のピアッツァに日産製のエンジンが簡単に換装できるハズもなく、マウント類はワンオフ。エンジンベイに配管を通す穴を新設したほか、ラジエーターをエンジン前方へ配置するため、純正フレームはごっそりくり抜くなど加工が多数。マスターシリンダーなどは純正よりもひと回り小さな他車種用を流用したほか、エンジンカバーは撤去し、強心臓をボンネット内に収めてみせた。パワーを伝えるミッションはR32タイプM用(型式:71C)を流用している。


>>車高を低くできるよう、取り付け位置を純正よりも高くしたストラットタワーをワンオフ。マウント部分の板の厚さは3mmがベストとはオーナー談。


>>本来ダブルウィッシュボーンのフロントサスはストラット式へと変更。S14シルビア用ピロロワアーム、ピロテンションロッド、フルタップ式車高調を投入し、シルビア並にキレる足回りを構築している。


>>純正フレームを加工し、シルビア用のテンションロッドを取り付け。スカイライン用を流用したラジエーターがここにズドン。


>>ミッション同様、プロペラシャフトは日産系の180SX純正を流用。50mmの特注スペーサーを用いて、長さの帳尻を合わせている。


>>リアサスは純正の3リンク式リジットサスから、R33スカイライン純正をスワップし、マルチリンク式へ変更。ピロアッパーアーム、トーコンアーム、トラクションロッドやフルタップ式の車高調は、日産用の社外パーツを用いている。


>>7Jの太いリムを飲み込むボンネットまで食い込んだワイドフェンダーと、キレ角が尋常じゃないフロントの足回りが驚愕! まさに、サイボーグと化したドリフトマシンなのだ。


『カスタムCAR』2021年3月号掲載
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
BASE CAR:いすゞ・ピアッツァ/1984年型

PHOTO/佐藤亮太 TEXT/コンヒデキ

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