【本気スペックのチューンド・ホンダ】USパーツを大量投下し、モーターはK20Z→SPOONコンプリートK20Aに換装するマジっぷりにシビれるUSシビック・クーペ

ショーカー的要素と本気の走りの性能の双方を兼ね備えたUSシビック(FG2)

       
USシーンの潮流を汲み取り
走りと魅せる要素を極めたFGシビック

【画像12枚】K20ZからSPOONコンプリートK20Aに換装したエンジン、シェイヴドベイとレーシーさを求めたゆえのブレーキレイアウトなど、コンプリートモーター搭載の「US流本気モード走り屋仕様」のシビッククーペ Siの本気スペックはコチラから!

日本ではまず見かけない、このシャープなマスクをもつ2ドアクーペは、ホンダ・シビックのUSモデル。
日本では4ドアセダン限定になったあと、絶版となってしまったが、アメリカでは依然としてインポート系の人気が高く、アフターマーケットパーツも豊富。
日本からは想像もつかないほど、激しいチューンドカーがガンガン走り回っているのだ。

それを念頭に置き、“どっから見てもアメリカで作られたような本気スペックのチューンド・ホンダ”を目指して作られたのが、コチラのFG2型USシビック・クーペとなる。

「USパーツを大量投下した本気チューン/快適装備をすべて捨て去りビジュアルを優先した本気っぷり」。

これ1台でなんとか過ごそうなどという甘い考えなどカケラもなく、走り&ショーオフ限定で作り込まれたリアルな1台なのだ。
“どうせヤルなら本気のチューンでいこう”と方向性を見定めたとき、奇しくもアメリカで人気の高い日本のホンダチューナー、SPOONが製作したコンプリートのK20A型モーターが手に入った。
それを搭載し、エンジンルームやインテリアまでも作り込んでいった結果、サーキット走行のみならず本格的な“ショーオフ”仕様としても通用するマシンとして仕上がったのである。

USDMとは、決して重箱の隅をつつくようなマニアックな北米販売モデル化だけではなく、アメリカのチューニング事情の追求においても“アメリカを向く”ことでもある。
なので、パーツのブランド選択を筆頭に“アメリカのイベントでも通用する作り”が貫かれているのだ。

軽く挙げただけでも、全米中のホンダ乗りが憧れる2300ccのチューンドモーターを製作したSPOONを筆頭に、HASPORTやK TUNED、Mishimotoといった現地で人気のパーツを満載。
エクステリアにはHRPやAPRといった現地のエアロキットやカーボンパーツが導入された。

日本では発売されなかったモデルだけに、アフターマーケットパーツもUS製を選ぶのは当然の流れだが、それらをポン付けするのではなく、ペイントや細部の加工によって自分だけのモノとしているのは実に見事。
同時に、横方向からの入力にも耐えるサイドバーを備えるロールケージとドアパネルの兼ね合い、ショーオフをも意識する“サーキットマシンでありながらオーディオも完備”という姿勢は、“どうせヤルなら、ここまでいくでしょう!”という姿勢を如実にアピールするもの。

エアコンもヒーターも取り去り、オルタネーターのみを駆動するエンジン単体のシンプルさ、ペダルが直にマスターシリンダーを押すブレーキ系の構築によるファイヤーウォールのスムージング。

ここまでできるか! という潔さは、カッコよさのためなら苦労など気にしない“男の美学”にあふれていると思うのだが、いかがだろうか?



>>控えめなボディキットはHFR製の3点セットを使い、フロントのエアダクトやカーボンエアスプリッターはコンセプトが依頼して作らせたAPR製。と、USブランドに独自のアレンジも加える。GTウイングもAPR製となる。



>>サスペンションは前後ともコモンスナッパーKANDEN車高調整キットを使い、車高に合わせたストロークを確保。リアにはDME製キャンバーキットを組むほか、ホイールのスタッドボルトもARP製の強化品を使うなど、走りに対して万全の体制で臨む。ブレーキはSPOONオリジナルの1ピースだ。


>>大径や極限サイズを無理に突っ込むのではなく、サーキットユースを前提に選んだ17インチのKUMHOタイヤは、フロント245/40、リアに225/45を履き分ける。リムは鍛造のバラマンディデザイン、Snook。フロントが9Jでリアが8Jとなる。


>>走らせるのに不要なものを極限まで取り去り、シンプルに作り込んだモーターは、現地でも名高い日本のホンダチューナーSPOONが組み上げた260馬力を発生させる2300ccのコンプリート。燃料システムは戸田レーシングの独立4連スロットルでECUはMoteC。エンジン搭載はHASPORT製キットを使い、人気のMishimoto製ラジエーターを採用している。


>>ウォーターポンプは社外の電動としたため、ファンベルトで駆動するのはオルタネーターのみというシンプルも特筆すべきポイント。


>>レカロを凌ぐ人気のSTATUS製フルバケットが目立つインテリア。実はダッシュボードを貫通するロールケージに対応すべく、分割で脱着できる構造にするなど、見えない工夫も多岐に渡る。AC/ヒーターレスのため、運転にはガッツが必要だ。


>>完成直後のサーキット走行による経験から、ドア内側のサイドバーを追加し、ロールケージへの念入りな補強を兼ねている。そのためドアパネル下部も薄く整形し、サイドバーに対処している。


>>トランクルームに鎮座するオーディオは、KICKERでショーアップ!


>>ビレットのシフターはK-TUNED製で、ダイレクトなシフトフィーリングを獲得。ショーオフ的要素を備えるダッシュボードのフルトリムもご立派!!


>>「エンジンベイを極力シンプルにしたくて」ファイヤーウォールに位置するはずのブレーキ/クラッチ関連を除去。室内のペダルでマスターシリンダーをダイレクトに押すレース用のFWARC製ペダルシステムを採用。完全なレース用でパワーアシストも持たず、微細な調整を煮詰めてドライバーにフィットさせるという高度なシロモノとなる。


>>エアコン&ヒーター「レス」でルックスと走りを最優先するFGシビック。男気あふれるレス仕様は、本気の走りに備えたチューニングへの敬意とも言える。


『カスタムCAR』2015年8月号掲載
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
BASE CAR:ホンダ・シビッククーペ Si/2008年型
SOURCE:コンセプト

TEXT/編集部

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