【エンジンルームにモーター、ズドン!】沖縄の自然環境に配慮しEV化! モーターを旧車のダットサントラック620にインストール!!

エンジンルームがスカスカなダットサントラック620

       
キャルルック意識の620と思ったら、
実は、ガチマジで作った沖縄産EVカー!

【画像7枚】EV車とマニュアル車を見事にミックスした乗り味、スカスカのエンジンルームなど、とっても気になるEV化した620の全貌はココをチェック!!

ひとクセもふたクセもあるトラックカスタム野郎として登場するのは、ちょっぴりヤレた感じのダットサン620。

もしかして、とんでもないリンク組み、はたまた、どえらいエンジンでも隠しているのかと思いきや……
なんだか、エンジンルームがスカスカで「部品取り車?」なんて勘違いしちゃうほど。

しか〜し、コレはその実、エンジンをごっそり電気モーターに換装し、EV化した620なのであります♪

製作したオーナーは、沖縄で自動車解体業を営みながら、観光用特殊車両の開発やレストアを手がける凄腕エンジニア。
最新技術に携わる仕事ながら、愛車は数台のダットサン620やD21に330グロリアなど、旧いニッサンを愛するカーガイだ。
古き良き時代のメカは大好きだが、620はSRエンジンに換装するなど、ハードなカスタムライフも楽しんでいる。

一方、自然環境に配慮した仕事柄、地元沖縄が誇る大自然の素晴らしさを維持することを考えると、このまま旧車ライフを続けていくことに疑問を持つように。

そこで考え付いたのが620のEV化。
旧車のEV化はすでに海外でも実施されており、専用パーツを開発するメーカーもいくつか存在することから、EV化専用パーツメーカーとして名高いアメリカのHPEVS製のモーターとコントローラーなどを用意。

通常のEV車ならモーターとパワートレインを直接繋いで無段変速的なスタイルとしがちだが、620の良さを可能な限り残すため、モーターと純正ミッションを繋ぐスタイルとし、通常のシフトチェンジを楽しめるようにしているのがポイントだ。

おかげでパワフルな走りと低燃費が実現!
好きな旧車を身近で楽しむにはEV化も全然ありでしょ!!



>>ステンレスカバーで覆われたリアのロングベッド内には、EV車に必要不可欠なバッテリーがセットされる。ちなみに、フル充電で約200km走行可能とのこと。ちょっとした街乗り程度なら十分対応できるゾ。充電は家庭用単相200Vを使用。テールゲートのDATSUNの文字入りも沖縄販売車ならでは。


>>ステアリングは’80~’90年代のキャルルックで人気だったフォーミュリング製をセット。ゴム製で劣化しやすいホーンボタンは、3Dプリンターを駆使して作ったお手製! マニア垂涎のアイテムだ♪


>>エンジンルームに鎮座する謎の筒状のモノが肝心要の動力源で、アメリカはHPEVS製のEVコンバー用モーター、AC-50モーターとなる。ちなみに、このモーターの出力は約71馬力あり、620クラスのクルマなら余裕で走らせることができる。実際、走り出しからパワフルな加速を楽しめるとか。


>>いつでも純正エンジンに換装できるようにと、エンジンマウントをワンオフでメイクしてボルトオン装着を実現しているのもポイントだ。


>>ラジエーターコア側にセットされた大きくて四角く黒いパーツは、モーターコントローラー。ラジコンでいうスピードコントローラーみたいなモノで、モーターの回転速度を制御する機械だ。その左隣はDCコンバーターで、バッテリーからの電力を制御する。


>>モーターはワンオフのミッションアダプターで純正ミッションとリンクさせているのがわかる。EV車でありながら純正ライクなシフトチェンジが楽しめるのだ。


>>ベース車両はダットサン620ロングベッドなんだけど、よ~く見ると左ハンで北米仕様? 実はコレ、いわゆる沖縄仕様車デス♪ 沖縄は占領地だった背景(右側通行)があるため、日本返還後、1975年ごろまでは左ハンドル車がフツーに売られてたんスよ。足回りはデイリーユースを考慮してライトにロワード、足元にはUSニッサン・アルマダの純正ホイールをセットし、さらっと個性をアピール!


『カスタムCAR』2019年9月号掲載
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
BASE CAR:ダットサントラック620/1975年型
SOURCE:MU自動車解体所、エムズサポート

PHOTO & TEXT/ノグチケイスケ

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