【テーマは軽くて速いクルマを作ること!】不人気セリカSTに3S-Gエンジンを換装し、快適クルージングを実現!!

チューンド3Sエンジンに換装したセリカST

       
ワイドボディで極太レトロリムを履きこなす
不人気セリカは3S搭載のスリーパー!

【画像10枚】ワイドボディで履きこなす時代考証ドンズバのレトロリム、快適クルージングを実現するチューンド3Sエンジン換装、パワステ&エアコン完備でごきげんなインテリアなど、カスタマイズの詳細はココから!!


旧車に高年式のエンジンを載っける。

この大手術に踏み切る理由の上位は、「もっと速くしたい」とか「エアコンとパワステが必要だから」とか。
でもでも、ここで取り上げたセリカのオーナーは、ちょっと角度が違ってました!

「軽いベースカーにしたかったから(笑)」ってことなんだけど、一体全体どーゆーことスか?

「いろんなクルマに乗ってきましたが、“車重が軽い”ってことは、走ることにおいてかなり重要なんです。馬力をアップさせることにこだわる方も多いですが、2t近くまで太ってしまっては、ブレーキ、燃費、維持費など、ほかの部分への負担も大きくなってしまう。だからNA2ℓで200psを超える3SのBEAMSエンジンを、ドナーのアルテッツァよりも車重の軽いクルマに載せて、キビキビ走らせてみたかったんです。で、ちょうど不人気で安く手に入る初代セリカの後期型、しかもST(車重1t弱)を見つけ、載せ換えてみたってのが真相ですね」

今回の場合、6速ミッションごとポンっと載せて終わりにはせず、ハイカムやAE111カローラ用の4スロも加え、パンチの強いエンジンへとライトチューン。
所詮NAの2ℓなんで、とっぴな馬力は出ないが、エアコン/パワステ装備で夏でもスイスイ乗れて、その気になれば8500rpmまでエンジンは回り、吸気と排気のサウンドに聴き惚れちゃえるってぇースジガキだ。

見た目はできるだけレトロなテイストを出すべく、レアなボルクメッシュや当時モノのエアロでサラッとフィニッシュ。

リアホイールの逆組み、S13シルビア用のハブ&ブレーキも備え、まさにツウ好み、玄人ウケを地でいくスタイルなんで、こりゃあコドモにはマネできねぇーっ!



>>「年代物のクルマには、年代物のホイールが合うだろう(笑)」と、軽い気持ちでボルクレーシングのメッシュ(14×7J)を選択。リアの奥行きが深いな〜って思ったら、インナーとアウターのリムを入れ替えて、自作深リム仕様に加工済み!


>>エンジンパワーの急上昇に連動して、フロントブレーキも強化することに。目を付けたのはS13シルビアの純正パーツで、ハブごと移植し、そのカラミで車高調もHKSのS13用倒立タイプを流用したそーだ。リアにはHKSのアブソーバーとメーカー不明のコイルを採用。


>>当時のセリカは、インパネやシートの組み合わせがいろいろ選べた。木目インパネ&ファブリックシートの組み合わせってことは、カスタムSWのパターンか? ステアリングはナルディに変更している。


>>センターコンソールの付け根あたりから生える形状のシフトレバーが嫌いで、手前側にリロケートでもって、さりげに6速MTに交換済み。元のシフト位置には同じ木目を使ってカーナビを埋め込んだ。


>>トランクスポイラーは前期後期でカタチに違いがないんで、セリカ用が問題なく収まる。オバフェンは汎用品を使い、「S13シルビア用車高調を組んだらタイヤが入りきらなくなって、それで外に広げる必要から付けました」と内情をバクロ。セリカはスポーツグレードのGTとGTVの人気がアットー的なため、今回ベースに選んだSTとかは、不人気もいいところ(苦笑)。それを逆手に取り、載せ換えに使うとは、着眼点ヨシッ!



>>軽いボディとパワーあるエンジンの合体。このコンセプトから選ばれたエンジンは、アルテッツァに積まれていた3S-GEエンジンの最終にあったデュアルVVT-i仕様(ビームス仕様)だ。吸気と排気の両方に可変バルタイが付くため、馬力もシリーズNA最強の210psを発揮した。


>>面研、バランス取り、AE111用4スロ、戸田レーシングのハイカムでパンチの効いたライトチューンを施せば、推定220psの底ヂカラでセリカのボディをグイグイ引っ張っていくことが可能に!


>>エキマニはHKS製を使用。十分な冷却効果を考えた末に、コーヨーのZ32フェアレディZ用サイドタンク式ラジエーターを使う。


>>エンジンルームのNOSボトルは、実はリザーバータンクとウォッシャータンクなのだ(笑)。


>>セリカがどーとか、旧車がどーとかの能書きには一切興味ナシ。あるのは軽くて速いクルマを作ること。明確な方針があってこそ、3Sスワップセリカは生まれた。チンスポは前期用のため、後期ボディに沿うよう加工されていた。


『カスタムCAR』2019年12月号掲載
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
BASE CAR:セリカ ST/1976年型
SOURCE:ONES CRAFTWORKS

PHOTO/平野 陽 TEXT/佐藤アキオ(rsf)

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