【V8心臓のモーレツ♥ダットサン】ベアメタルの鎧で完全武装した620

ベアメタル風ボディの核であるブリスターフェンダーは、ハミ出た足元に合わせてアルミ板を加工修正しながら理想型に近づけた、35㎝ワイドデザインが特筆。

       
鋭いブリスターフェンダーでファットなタイヤをガブ呑みしたフォルムは、見るからに戦闘的♪

そして、鎧のようなイカツいベアメタルボディも唯我独尊のレーシームードを全身から放ちまくるダットサン620の登場だ!
こちらは左ハンドルのUSモデルで、シボレー350スモールブロックが換装された、いにしえの逆輸入車がベース。アメリカンV8積みのヤレた個体にあえて惚れ込み、サーキットユースのレーシングトラックという大胆リメイクを試みた。

金属むき出しのワイルドなエクステリアは、既存のトラッキンとは別路線のカスタムコンセプトを明らかに主張。純正のフェンダーアーチをばっくり切って履くのは、フージャーの極太レースタイヤにエンケイ絶版の、アパッチ9の15×8J/10Jの組み合わせ。車体からハミ出た足元に合わせ、我流デザインのワイドフェンダーを一枚モノのアルミ板からワンオフ。さらに往年のアメリカ戦闘機に着想を得た演出として、ドアやベッドなども、ボディ外板の上からアルミ板を直張りして比類なき個性をアピール!

足回りはCフレーム加工を介したリアサスのコイルオーバー化や、電動パワステ化を図っている。一見、異ジャンルの作り手によるカタ破りな作品にも思えるが、実はウン十年前にオールドダットラを乗り継いだキャリアの持ち主でもあるオーナー。一円玉ホイールのワイドタイヤを履いたV8ダットラが一世を風靡し、この手の荒削りなHOT RODトラックもお目にかかれたアーリー80’sの本場を知る熟年ビルダーの遊びゴコロが、たっぷりとにじみ出た力作なのだ。

【画像7点>>V8心臓のダットサン・トラック620のディテールをCHECK!!】


>>ボンネットは一枚モノのアルミプレートによるワンオフメイドだ。現状は70%の完成度で、ゆくゆくはルーフなども総アルミ張りで仕上げるとのこと。



>>テールゲート部はアルミパネルで塞ぎ、ベッドもCフレームに合わせて厚手のアルミプレートでフロアをかさ上げしている。



>>80’sエンケイのアパッチ9アルミは、オーナーが昔の愛車ダットラに履かせていた当時モノだ。



>>リアのフレームはCセクション加工を施し、ショックマウント移設でQA1製コイルオーバーショックを装着。



>>イマどきの620好きのあいだではストック重視が好まれるゆえ、大胆なブリフェンフォルムは賛否が分かれるトコロ。だが既存のトラッキンにはない戦闘的なルックスは、万人の目に刺激的なうえ、70’sのUSショーカー“カリフォルニアサンシャイン”(←620オタクしか知らない・笑)を何気に彷彿させるものアリ。



>>350スモールブロックのシボレーV8はブラックの結晶塗装を実施。ミッションはTH350の3ATの定番チョイスで、超重ステを解消すべくワンオフの電動パワステを装着済みだ。



>>室内は遮熱シートむき出しのフロアでかなりワイルドな印象。


『カスタムCAR』2018年2月号掲載
BASE CAR:ダットサン・トラック620 1977年型

PHOTO/早川俊昭 TEXT/コンヒデキ

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